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🏌️♀️ 英語圏のニュースレターを3年以上にわたって分析したまとめ
3年間、158週、休まず書き続けた。2022年12月に創刊してから丸3年。その結果、過去記事が積み上がった。すべてはこれからニュースレターを発行する方の参考になるように書いてきたつもり。 日本でこれほど英語圏のニュースレターを調べまくって文章資料として残したのはここにしかないだろう、と自負している。 あなたがニュースレター配信を考えているのなら、これらを参考にして欲しい。ただ量が多くて「どの記事から読めばいいのか分からない」という問題があるのを感じている。ニュースレター戦略は配信者ごとに異なる。あなたが今まさに直面している課題と、隣の人が抱えている課題はまったく違う。 だから今回は3年間の総まとめとして、すべての記事をカテゴリーごとに整理した。 収益化を攻めたい人、読者獲得に悩んでいる人、そもそも何を書けばいいか迷っている人。それぞれの状況に合わせて、必要な記事にすぐアクセスできるようにした。興味のある分野のリンクをクリックして確認してほしい。 もくじ SNS運営、X(旧:ツイッター)攻略 そもそもニュースレターとはなんなのか? ポッドキャスト・音声配信 AI・テック系ニュースレター解説 金融・投資・経済系ニュースレター解説 クリエイターエコノミー・個人メディア分析 YouTuber・動画クリエイター分析 マーケティング・ビジネス戦略 料理・ライフスタイル系ニュースレター解説 スポーツ・フィットネス系ニュースレター解説 デザイン・アート・クリエイティブ系ニュースレター解説 環境・社会問題系ニュースレター解説 健康・科学・教育系ニュースレター解説 みんなのニュースレター関連 SNS運営、X(旧:ツイッター)攻略 ニュースレターの配信とSNS運営は切っても切り離せない。「ニュースレターだけを書いていたのでは何も始まらない」 2023年の3月に公開したツイッター手法(当時はXじゃなくて、ツイッターだった!)ではものすごく稼げた。フォロワー数はもちろん、ニュースレターの収益としてもこの手法はすごく貢献してくれた。しかしそれは2023年の話。 現在ではアルゴリズムもSNSの仕組みも大きく変わった。常に攻略手法もアップデートしなければならない。しかし根底に流れる思想は同じ。 それは「どうにかして情報洪水の中で自分のニュースレターをSNSで広めて攻略してやるぞ」という精神だと思う。 みんなのニュースレターですごい収益をあげている配信者さんたちはひとりの例外もなく全員がSNS攻略の達人。 「SNSにはあんまり力を入れてません」って言っている人で、すごいニュースレターを配信している例はひとつもない。配信するなら腹をくくってSNSを攻略して欲しい。やってみればそんなに難しいことではないと思う。
🐯 イーロン・マスクが「彼の取材で語りたい!」と惚れ込んだ。1記事に160時間をかけるストーリーテラーはどうやって書いているのか
パジャマ姿で、アパートの中を歩き回って電話していた相手は、イーロン・マスクだった。 2015年のある日、ティム・アーバンの元に予期せぬ電話がかかってきた。テスラとSpaceXのCEOが、自分の会社について「この人に書いてほしい」と直接指名してきたのだ。 なぜ、世界一忙しい起業家が、個人ニュースレター配信者を選んだのか。 答えは、彼の記事の異常なクオリティにある。1本の記事に160時間。読者は2時間で読み終えるが、その裏には80倍の調査時間がある。月に1本すら出さないこともある。それでも60万人がメール購読し、累計3,000万人以上がこのニュースレターを読んだ。 この記事では、Wait But Whyを運営するティム・アーバンが「何をしてきたのか」の詳細を追った。ハーバード大学で卒業論文を72時間で書いた先延ばし魔が、いかにして世界で最も影響力のあるブロガーの一人になったのか。 👯 もくじ 🧑🔬 ハーバード大学で90ページの論文を72時間で書いた先延ばし魔の告白 🌶️ 家庭教師ビジネスからニュースレターへの転身 🔇 フェイスブック月間最多シェアを記録したバイラル記事 👕 パジャマ姿でイーロン・マスクと電話した日 🐎 読者を80倍速で学ばせる調査への執念 🦸 TED史上最も視聴された講演の一つとなった舞台裏 🫒 なぜ60万人がこのニュースレターを待ち続けるのか 🦒 講演という収益モデルの全貌 🥡 広告を排除し3年間収益化を見送った戦略的判断 👶 子供の落書きみたいなイラスト 🐥 長文でも離脱させない4つの構成術 🍇 1,000人に1人の熱狂的ファンを狙う執筆哲学 🚣♂️ わたしたちが盗むべき3つの戦略 🧑🔬 ハーバード大学で90ページの論文を72時間で書いた先延ばし魔の告白 1981年、マサチューセッツ州ニュートンで生まれたティム・アーバンは、ユダヤ系の家庭で育った。 2000年、彼はハーバード大学に入学し、政治学を専攻した。この名門大学で彼が学んだ最も重要なことは、学問ではなかった。自分が重度の先延ばし症候群であるという、痛烈な自己認識だった。 * 以降の画像は全てWait But Whyからの引用 卒業論文の締め切り前夜。ティムはまだ1文字も書いていなかった。そこから72時間、彼は90ページの論文を一気に書き上げる。結果は散々だった。しかし、この経験が後に7,400万回再生されるTED講演のネタになる。 大学在学中、彼は別の「実験」にも参加した。窓のない部屋に12日間閉じ込められるという心理学実験。報酬は$3,500(約52.5万円)。アジア旅行の資金を稼ぐためだった。 卒業後、彼はレストラン「Fire & Ice」でウェイターとして働きながら、映画作曲家を目指す。しかし、その夢は実現しなかった。 これらはなにかまったくつながりのない、ただのどこにでもいるような若者のエピソードを集めただけのように思える。しかし全ては後の彼の功績につながる貴重な出来事になっていく。 🌶️ 家庭教師ビジネスからニュースレターへの転身 2007年、ティムは幼稚園時代からの親友、アンドリュー・フィンと共に「Launch Education Group」という会社を設立する(後のArborBridge)。テスト対策と家庭教師のビジネスだった。カリフォルニア州サンタモニカを拠点に、SAT、ACT、GREなどの試験対策を提供した。 このビジネスは成功した。しかし、ティムの中には別の欲求があった。 2005年、友人がブログを始めたのを見て、ティムも「Underneath the Turban」という個人ブログを開始した。6年間続けたこのブログの最後の数記事で、彼はある実験を始める。シンプルな棒人間の落書きを記事に加えた。 そして2013年7月。ティムとアンドリューは、新しいプロジェクトを立ち上げる。それが「Wait But Why」というニュースレターだった。 ティムが記事を書き、イラストを描く。アンドリューがビジネス面を担当する。この役割分担は、幼稚園時代から続く友情の延長線上にあった。 重要なのは、ArborBridgeという本業があったこと。これが後に、Wait But Whyの運命を決定づけることになる。 🔇 フェイスブック月間最多シェアを記録したバイラル記事 Wait But Why開始からわずか2ヶ月。 2013年9月、ティムは「Why Generation Y Yuppies Are Unhappy」という記事を公開した。ミレニアル世代がなぜ不幸なのかを論じた記事だった。彼はこの世代を「GYPSY」と名付けた。Gen Y Protagonists & Special Yuppies(Y世代の主人公気取りの特別なヤッピー)の略だった。 この記事が爆発した。 フェイスブック月間最多シェア、最多コメントを記録。 Huffington Postにも転載され、Quartz、The Washington Post、The Atlantic、Time、Business Insiderなど主要メディアに次々と取り上げられた。 1週間でメール購読者数は300人から30,000人に急増した。100倍の成長だった。 2015年、Fast Companyはこう書いた。 Wait But Whyは、思慮深い長文コンテンツとバイラル性が相互排他的だという通念を覆しているWait But Why is disproving the notion that thoughtful, long-form content and virality are mutually exclusive 彼は「ネットコンテンツは短く頻繁に」という当時の常識を完全に無視した。代わりに、圧倒的なクオリティを追求した。 この発想は10年以上前の当時からその後にくるニュースレター文化のやり方を先取りしていたことになる。 👕 パジャマ姿でイーロン・マスクと電話した日 2015年1月、ティムは「The AI Revolution」という2部作の記事を公開した。人工知能が人類に与える影響について、徹底的に調査した長文記事。 この記事をイーロン・マスクがXでシェアした。 数週間後、ティムの電話が鳴る。イーロン・マスクの広報担当からだった。テスラ、SpaceX、そして彼自身について書いてほしい、と。 数日後、私はパジャマズボンを履いて、アパートの中を必死に歩き回りながら、イーロン・マスクと電話していたA few days later, I found myself in pajama pants, pacing frantically around my apartment, on the phone with Elon Musk これは普通の取材依頼ではなかった。世界一忙しい事業家が「この人になら書いてほしい」と指名した。 ティムは2週間、読んで読んで読み続けた。自動車産業、航空宇宙、太陽光エネルギー。マスクが関わるすべての業界を学ぶ必要があった。その後、テスラの工場とSpaceXの本社を訪問し、イーロン本人と何時間も話し込んだ。 6ヶ月の調査を経て、4部作の「Elon Musk Post Series」を発表。2017年にはNeuralinkについても38,000語の記事を執筆。Voxのデイヴィッド・ロバーツは「これまで読んだ中で最も肉厚で、最も魅力的で、最も満足感のある記事」と評した。 🐎 読者を80倍速で学ばせる調査への執念 なぜイーロン・マスクはティム・アーバンを選んだのか。 答えは、彼の調査への異常な執念にある。読者がWait But Whyの記事を読むのにかかる時間は、せいぜい2時間。しかし、その裏には160時間の調査がある。つまり彼は、読者に80倍速で学ばせるために、自分の時間を投資している。 私が習得したい知識レベルは、何かを書いた後に読者とQ&Aができ、ブログより深い議論ができるレベルだ。ギリギリの知識で書くのは良い気分ではないWhere I want to be, knowledge-wise, is I could write something and then the people who read it have a Q&A with me, and I can go into much more depth in the Q&A than I did in the blog さらに特徴的なのは、彼の調査方法。 何かについて書くなら、他の人の記事は読みたくない。影響を受けたくないからIf I'm going to write about something, I don't want to read other articles on it because I don't want to be influenced by what I find 既存の記事を読まず、一次資料と専門家への直接インタビューだけで記事を構成する。これにより、彼の記事は常に独自の視点を維持している。 Neuralinkの記事では、執筆時間より資料収集と学習に圧倒的に多くの時間を費やした。必要な知識を集めきれば、物語を紡ぐのは比較的簡単だったという。 🦸 TED史上最も視聴された講演の一つとなった舞台裏 2016年、ティムはTEDの本会議に招待される。 テーマは「先延ばし」。あのハーバード大学での卒業論文の経験が、日の目を見る。 講演「Inside the Mind of a Master Procrastinator」は、先延ばし者の脳の中を3つのキャラクターで説明する。「理性的決定者」「即座の快楽を求める猿」そして「パニック怪物」。 TEDのクリス・アンダーソンから講演を勧められた時、ティムは躊躇した。すると、クリスは言った。 「今ほど良いタイミングはない」 この言葉がティムの背中を押した。彼は後にこう振り返る。 クリスのアドバイスが私にとって価値があったのは、新しいことを教えてくれたからではない。その瞬間にアドバイスを実行したことで、陳腐な格言がマントラに変わったからだWhat makes Chris's advice so valuable to me wasn't that it was something new—it was that the lesson I learned from taking the advice in that particular moment turned a cliché into a mantra 結果、この講演は2025年3月時点で7,400万回以上再生され、TED史上最も視聴された講演の一つとなった。これにより、Wait But Whyへの入り口が世界中に開かれた。 🫒 なぜ60万人がこのニュースレターを待ち続けるのか Wait But Whyの記事を読むには、30分から2時間かかる。しかも更新は不定期で、月に1本すら出ないこともある。なぜこれほど多くの読者が、このニュースレターを待ち続けるのか。 ここまで読んで「面白い」で終わらせずに、自分の収益やコンテンツ制作に転用できる形まで落とし込みたい人は、この先の有料パートがいちばん役に立つ。 有料パートでは、ティム・アーバンのやり方を再現できる設計図として分解した。 広告ゼロでも成り立つ収益構造を、あなたの発信に当てはめて考えられる 「2〜3年収益化しない」判断の背景から、現代のコンテンツ戦略の戦い方が見える 超長文でも離脱させない“具体テクニック”を、チェックリストとして持ち帰れる もしあなたが、発信を仕事にしたい/読者に刺さる長文を書きたい/収益化を設計したいと思っているなら、ここから先を参照して欲しい。 無料コンテンツはここまでです。 以下の有料コンテンツでは、ティム・アーバンの収益化戦略と制作術の詳細を解説した。 有料コンテンツの内容 🫒 なぜ60万人がこのニュースレターを待ち続けるのか 🦒 講演という収益モデルの全貌 🥡 広告を排除し3年間収益化を見送った戦略的判断 👶 子供の落書きみたいなイラスト 🐥 長文でも離脱させない4つの構成術 🍇 1,000人に1人の熱狂的ファンを狙う執筆哲学 🚣♂️ わたしたちが盗むべき3つの戦略
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🦖 AI生成コンテンツが溢れる時代にあなたのコンテンツを資産に変える手段とは何になるのか
そのユーチューブチャンネルの動画はすべてAI生成。人間は1本も作っていない。それが6ヶ月で登録者300万人、再生数20億回。 「Bandar Apna Dost」というインドのYouTubeの話。猿のコメディ動画。 これが特別な例ではなく、むしろ今の標準になりつつある。 AI生成コンテンツが無限に生産される時代に突入した。インターネット上のコンテンツ量は完全に飽和状態にある。コンテンツ量はすでに人間の消費能力をはるかに超えている。インスタには毎日9,500万枚の写真と動画が投稿される。TikTokには毎日2,300万本、YouTubeには毎日2,000万本の動画が上がる。 クリエイターはこのコンテンツ飽和時代をどうやって生き残ればいいのか。 👯 もくじ 👯 もくじ 🐵 インドのAIチャンネルが6ヶ月で20億回再生に達した現実 🌽 コンテンツの飽和はAI以前から始まっていた 🦹 AIとの会話に2億人が課金する時代 🚓「AIに書かせた」と読者に見抜かれた時、何が起きるか 🦜 文章技術が価値を失った後に残るもの 🙈 ジェネレーションZが「クリエイターは見ない」と言い始めた理由 🧋 コンテンツ飽和時代を生き残る道 🤷♂️ スケール戦略の内側とAI自己複製モデル 🎃 希少性戦略とは何か 🎤 ライブイベントがコンテンツ飽和時代の最強の防衛線 🤖 AIが社会を「脱感作」させる静かな恐怖 🦦 IRLが価値を取り戻す理由 🏃 ニュースレター配信者がコンテンツ飽和時代に生き残る方法 🐳 コンテンツが飽和した荒野で、どこに立つか 🐵 インドのAIチャンネルが6ヶ月で20億回再生に達した現実 「AI生成の動画なんて誰も見ない」なんて思っていないだろうか?それはもう違う。多くの人が観ている。めちゃくちゃに観ている。 300万登録、20億回再生。実際に人が集まり、お金が動いている。2025年には、新規YouTubeユーザーのショート動画の20%がAI生成で占められている。 残り80%は人間制作。しかし問題は「AIか人間か」ではない。コンテンツ全体の絶対量が、人間の消費能力をすでに超えていることにある。 マスに向けて大量生産される低コストのコンテンツは昔からある。しかしAIはその生産を指数関数的に加速させた。 問題はコンテンツの質ではない。OpenAIのSoraが作るAIビデオは日に日に「本物らしく」なっている。インスタグラムのヘッドであるアダム・モッセリは2025年末のポストにこう書いた。 比較的すぐに、AIはあなたの望む美学を何でも作れるようになる。本物に見える不完全なものも含めてRelatively quickly AI will create any aesthetic you like including an imperfect one that presents as authentic 「本物らしさ」がAIで生産できる時代が来た。それはクリエイターエコノミーの前提をひっくり返してしまう。 🌽 コンテンツの飽和はAI以前から始まっていた コンテンツ飽和の原因はAIではなく人間にある。AIが流行る5年ほど前のコロナ禍(2020年)が転換期になった。ハリウッドが制作を止め、コンテンツの需要が爆発した。その需要を満たしたのが個人クリエイターだった。 広告費がクリエイターに流れ込み、「プロクリエイター」という新しい職業が生まれた。それが憧れの職業になり、さらに多くの人が参入した。 コンテンツ業界はAIが来るずっと前から、すでに飽和していた。AIはその飽和をさらに加速させただけにすぎない。 私が特に注目しているのは「ニュースレター」というメディアの立ち位置。動画プラットフォームと違い、ニュースレターは読者が自分で「このメールを受け取りたい」と申し込む。アルゴリズムに左右されず、読者との直接の繋がりが成立している。飽和が加速する中で、「届けたい相手に確実に届く」という設計を持つメディアの価値は、今後さらに高まっていくだろう。 🦹 AIとの会話に2億人が課金する時代 Character.aiというサービスがある。ユーザーが好きなAIキャラクターと「会話」するプラットフォーム。ユーザー数は2億人を超え、月間アクティブユーザー数は2000万人以上。ティーンエイジャーの1日の平均利用時間は2時間。YouTubeの3〜4倍。 月9.99ドル(約1,500円)のプレミアムプランがある。内容は返答速度の向上。それだけで多くのユーザーが課金する。 理由はシンプル。そのAIキャラクターに「もっと会いたい」から。 「AIだと知ってなお」人が集まり、課金し、感情的な繋がりを持っている。Character.aiが示したのは、YouTubeやTikTokのフィードでコンテンツを消費させるのとは全く異なる「2時間の独占」。 クリエイターにとっての問いは、もはや「AIか人間か」ではない。「あなたのコンテンツは、視聴者が2時間費やしたいと思わせるか」という問いに変わっている。 🚓「AIに書かせた」と読者に見抜かれた時、何が起きるか Character.aiを使う2億人は「AIだと知ってなお」毎日会話に戻り続けた。 しかしテキストメディアでは、全く異なる反応が起きている。 2024年から2025年にかけて、Substackでは「AIによる生成コンテンツの使用」が発覚して読者が反発するケースが相次いだ。「最近の文章が滑らかすぎる」「以前の具体的な失敗談が消えた」「あの独特の間がなくなった」。 読者は理由を言語化できないまま、「この人ではない何か」を感じ取る。人気ライターの一部は開封率の急落を経験した後、AIへの依存を認め読者に謝罪した。 問題の根本は「AIか否か」ではない。「この人が書いたか否か」という問いに集約される。書き手と読み手の間に、別の何かが割り込んだ瞬間、その関係も変化する。 別にコンテンツ制作にAIを使うことがダメという訳ではない。むしろAIは使うべきだろう。ただどのようにAIを使うのか、それで読者との関係はどう変化するのか、には細心の注意が必要になる。 コンテンツ飽和時代が進むほど、文章という媒体での「この人の声」は希少性を増す。AIが大量のテキストを生産するなかで、読者の嗅覚はむしろ鋭くなっている。 🦜 文章技術が価値を失った後に残るもの 「文章技術」や「情報を整理する能力」は、AI登場以降その価値の多くを失った。情報を集め、読みやすく整える、なんて作業はAIが数分でやってのける。残るのは「作者の人格や思想」。何を信じ、どのように世界を見ているのか。その輪郭こそが、これまで以上に作品の価値の核になりつつある。 ニュースレターは単なる宣伝媒体ではない。そこに積み重なるのは、その人の思考や態度の履歴。言ってみればそのクリエイターが考えてきたこと、やってきたことの歴史。読者はその断片を読みながら「この人の言葉をもう少し深く読んでみたい」と感じる。 購読者数だけが問われているわけではない。もちろん購読者数5000以下とか、ある程度の数に達していないなら、がむしゃらに数を追い求めてもいいだろう。ただポイントはその先。 ある一定数の購読者数を達成した後にはそのニュースレター上に蓄積された「その人らしさ」の密度が、問われることになる。 今はコンテンツだけでなく、その背後にある思想や人格まで読まれる時代なのだから。 🙈 ジェネレーションZが「クリエイターは見ない」と言い始めた理由 あるリサーチに衝撃を受けた。「週次で欠かさず見ているクリエイターは誰ですか?」という問いへの答えが、Z世代の若者では予想外の傾向を示した。 ミシガン大学の調査では、ジェネレーションZの女性たちの多くが「クリエイターは追いかけていない。ただインスタでどうでもいいリールを見てる」と答えた。クリエイターのコンテンツは広告が多くて嫌になり、むしろ匿名アカウントや単なるフィードを見るようになったという。もうロガン・ポールやミスター・ビーストは子供の頃に見ていた存在で、今は見ない。 「特定のクリエイターにそこまで入れ込むのはダサい」という感覚が仲間内にある。 これはクリエイターへの忠誠心が溶けていく現象がある。プラットフォームのアルゴリズムは「あなたが好きなクリエイターの動画」ではなく「今この瞬間のあなたに最適な動画」を出す。それは必ずしも同じクリエイターの動画ではない。コンテンツの選択肢が無限にある中で、「このクリエイターの動画なら必ず見る」という習慣そのものが成立しにくくなっている。 コンテンツ飽和時代が生んだのは、選択肢の多さだけではない。クリエイターへの愛着そのものの消失でもある。 ここで重要な逆説がある。ジェネレーションZが「クリエイターを追わず、ただフィードを見る」と言うとき、それはニュースレターには当てはまっていない。ニュースレターを購読するという行為は、能動的な選択。「このメールを自分の受信トレイに届けてほしい」という明示的な意思表示を意味する。アルゴリズムが割り込む余地がない。 だからこそ、開封率は業界平均で40〜60%を維持し、インスタのリールやTikTokの到達率1〜3%と比べて10倍以上の差がある。「ジェネレーションZはクリエイターを追わなくなった」という現象は、プラットフォームのアルゴリズムの話であって、メールボックスに直接届くニュースレターコンテンツの話とは異なる。 🧋 コンテンツ飽和時代を生き残る道 このニュースレターでは、英語圏のクリエイターエコノミーの動向を追い続けてきた。その観察から見えてきた現実はシンプル。 AIゴミが増え、コンテンツの量は指数関数的に増加する AIが本物の人間の顔を模倣できるようになり、「本物感」は差別化要素にならなくなる プラットフォームは「クリエイターへの忠誠心」ではなく「その瞬間の最適動画」を優先する ジェネレーションZは特定クリエイターを追わず、フィードを流し見する では生き残るにはどうすればいいのか。クリエイターが取れる道はまだある。 英語圏では、その戦略がすでに実際に試されてきた。その構造的な違いがわかっていないまま選ぶと、実行レベルで崩壊する。 無料コンテンツはここまでです。 有料パートでは、以下を解説した: 🤷♂️ スケール戦略の内側とAI自己複製モデル 🎃 希少性戦略とは何か 🎤 ライブイベントがコンテンツ飽和時代の最強の防衛線 🤖 AIが社会を「脱感作」させる静かな恐怖 🦦 IRLが価値を取り戻す理由 🏃 ニュースレター配信者がコンテンツ飽和時代に生き残る方法 🐳 コンテンツが飽和した荒野で、どこに立つか
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