第43号目の今回はとあるニュースレターのコンサルが公開している情報を紹介する。もはやニュースレターを専門にコンサルする人が登場する時代になったようだ。
このニュースレターはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、そのコンテンツを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
てりたまさんからとてもありがたいご指摘をいただいた。てりたまさんはこのニュースレターをご購読いただいている購読者の方。
ご指摘は配信メールがダークモード設定のiPhoneのメーラーではうまく表示されていないこと。
今週も楽しく有益な情報、ありがとうございます。
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てりたま|元大手監査法人パートナー|会計士の新しい生き方を見つける @teritamadozo
今回取り上げられたDan Go氏の発信は、長年Twitterで見ていました。気づきの多いツイートを楽しみにしていましたが、そんなに発信頻度が高く、しかもその背後にそれほど成功したビジネスがあったとは………— てりたま|元大手監査法人パートナー|会計士の新しい生き方を見つける (@teritamadozo) October 2, 2023
ダークモードにしたiPhoneでは、メールアプリで開けると真っ黒で文字が読めません。リンクだけは青く浮き上がるので、冒頭にリンクをつけていただけるとブラウザに飛んで読むことができ助かります。
お手数をおかけして、すみませんでした。
ダークモード表示をコーディングすることを見落としていた。修正したので、今回のメールからは正常に表示されているはず。
てりたまさんは公認会計士さんでNoteで記事を書かれています。
こうしたご指摘がなければずっと気が付かないままだったと思う。とにかくありがたい。もし他にもなにかありましたら、なんでもお知らせください。
マシュマロを使ってでもなんでも感じたこと、欲しい機能などをお知らせください。
前章のてりたまさんのようにこのニュースレターの読者はなにかの情報を発信しているクリエイターが多いと思う。なのでこれからは機会があれば積極的に読者さんの紹介を行うことを計画している。
それは今回の分析対象にした、とあるニュースレターコンサルのノウハウを読んで参考にしたから。
今回とりあげたのはニュースレター・オペレーター。著者はニュースレターコンサル会社であるGrowLetterの創業者、Matt McGarry氏。
彼の経歴はニュースレターを伸ばす仕事人そのもの。メディア系ニュースレターのthe HUSTLEにて200万購読者に伸ばすまで従事。
その後はそこで培ったノウハウと元に独立し、モーニングブリュー、The Gist、MILKROAD、BANKLESS、などの超人気ニュースレターにコンサルとして参画。またニュースレタープラットフォームの beehiivのパートナーとしても活躍している。
つまり「ニュースレターの伸ばし方を聞きたければとにかくこの男に聞け」という状態なのだ。
今回紹介するのはそんなMcGarry氏が発行するニュースレター。
ニュースレター・オペレーターのテーマは「いかにしてニュースレターを上手く運営するのか」。それぞれの記事内では毎回10個ほどのノウハウと事例が列挙されている。そのタイトルは「購読者を1万人獲得する方法」や「開封率をアップさせる方法」など。
それぞれのノウハウに対して「これさえやっておけばいい」などと単調な切り口であることは決してない。全てのニュースレターにはそれぞれの個性があって、それぞれのやり方がある。
ニュースレター・オペレーターでは課題に対していくつもの事例やノウハウを列挙することで、各ニュースレターの個性に合わせた解決策が見つかるようになっている。
それらノウハウの全てが自分のニュースレターに応用できなかったとしても、ひとつやふたつは必ず応用できる秘策が見つかるだろう。
McGarry氏の解説する「ニュースレターを始める方法」は基本の戦略がしっかり入っている素晴らしい基礎編。もしあなたがまだニュースレターをはじめていないなら、必ず読んでおいた方がいいと思う。
もうすでにニュースレターを発行していたとしても、基本を見直す上でとても意味がある記事になっている。なのでその要約をここに書いた。
ステップ1:ニッチな分野を選んで、そこからさらに2段階深める
テーマを選ぶ際に「今、ホットな話題」や「読者にウケそうな話題」にすることはとても危険。そんなのよりもあなたがとても詳しいこと、調べていても飽きないこと、の方がずっといい。
あなたがとても詳しいこと、得意なこと、好きなこと、はニッチであることがほとんど。それこそが強みになる。ニッチなニュースレターの方がよりカンタンに唯一無二の存在になり、市場でも評価されやすくなる。
よくある”ビジネス・ニュースレター”ではたくさんある中に埋もれてしまって、誰にも評価されない。
2段階の例。例えばメディア運営やメディア・ビジネスに関するニュースレターをテーマとして選んだとする。そこから2段階深く掘るとこうなる。
ビジネス > メディア・ビジネス > ニュースレター・ビジネス > ニュースレターで購読者を増やす方法
もしどこかの人気ニュースレターと同じテーマを選んだとしたら、それは危険なサイン。同じテーマでは先行しているその人気ニュースレターには勝てない。読者層がカブっているし、その人気ニュースレターの読者があなたのニュースレターに移ってくる可能性は低いだろう。
そんな時はその選んだテーマからさらに2段階深く掘ること。そうすればそれはあなただけの唯一無二のニュースレターになる。
ステップ2:ニュースレターの名前を決める
特にすごい名前である必要はないのだけれど、「(人の名前)のニュースレター」は避けるように。テーマがパッとイメージできるようであればOk。
例)
- Shane Parrish: Brain Food(脳への食事)
- Tim Ferriss: 5-Bullet Friday(金曜の5つのポイント)
- James Clear: The 3-2-1 Newsletter
- Sahil Bloom: The Curiosity Chronicle
- Matt McGarry: The Newsletter Operator(ニュースレター・オペレーター)
ステップ3:送信スケジュールを決める
基本は1週間に1回にすること。それ以上は書ききれなくてコンテンツ作りに消耗してしまうことになる。月に1回になると、あまりにも発行回数が少なく、購読者が定着しにくくなる。
送信スケジュールを何曜日の何時ごろと宣言することは特にニュースレターの立ち上げ時期にはとても大切なこと。
ステップ4:コンテンツの型を決める
ニュースレターは毎回、イチから構成を考えて書くなんてことはしてはいけない。まず型を決めてそれに当てはめて同じ構成で購読者に届けること。
型が決まっていれば読者にとっても一定の安心感と同じリズムで記事を読むことができる。
あなたが愛読しているニュースレターを思い返して欲しい。いつも定期的に読んでいるし、リズムが染み付いて話題が変わってもスッと頭に入ってくるようになっているだろう。それと同じこと。
型の例
The Hustle:
- The Big Idea - 最も大きな話題のニュース
- Snippets - 1行のまとめとそのリンク
- Chart - 視覚的に見せるインフォグラフィックとチャート
- Around The Web - 「おっ!」と思わせるストーリーのある記事
3-2-1 Newsletter:
- 3つのアイデア
- 2つの引用
- 1つの質問
ステップ5:購読者を獲得するためのSNSを決める
ニュースレターの運営は発行しただけでは80%しか完了しない。残りの20%はSNS運営になる。ニュースレター自体では拡散性は無く、どんなにいいニュースレター記事を書いても、それが読者獲得につながることはほぼない。
あなたがいいニュースレターを発行しているのなら、それをSNSで知らせて新規読者の獲得につなげる必要がある。オススメはX(旧:ツイッター)もしくはリンクトイン。
最初はその週のニュースレターの要約内容を投稿するだけでも十分。コンテンツさえ良ければ読者が興味を持ってくれる。
以上が「ニュースレターを始める方法」の要約。
私もさんざんウケているニュースレターを調べてきたので、これがどれほど深く基本をおさえているかが分かる。
わりとこの辺りはブログで活躍していた人ほど見落としがちな点が多々ある。テーマの選び方をニッチにしつつ一貫性を持たせることや、送信スケジュールなどの発想はブログにはあまり無かった発想。とてもいいブログを運営していた方なのにニュースレターにした途端にスベってしまうのはよくある。理由はとても基本的なことを見逃しているからのように感じる。
これはニュースレターにはとても重要な点がまとまった、とてもよい記事。こうした基本をおさえた上でスタートを切れば無駄にスベることを回避できるだろう。
開封率というのはニュースレターをメールで送った際に購読者に開けてもらっているパーセンテージ。勘違いしてはいけないのは「メールで記事を送れば購読者の全員が中身を開けてじっくり読んでもらえる」と思うこと。
どんなニュースレターも決してそんなことは無く、1000名以上の購読者のあるニュースレターで60%もあればかなりいい方になる。50%でまーまー。30%を下回るとちょっとやり方を変えた方がいい。
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