user【週刊】1万ドル以上を稼ぐニュースレターを徹底的に分析したらこうなったsearch
巨大なスポーツ産業の中でニッチを狙ったニュースレターが急成長している理由
【第12号】ニュースレターの成功の鉄則はニッチな分野でかつ熱いファンがいる分野を狙うこと。巨大産業のひとつであるスポーツ業界であっても、その法則は成り立つ
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ジャバ・ザ・ハットリ
2023/03/06

第12号目の今回はスポーツ系のニュースレターを取り上げた。スポーツ産業は超巨大市場を形成している。ワールドカップなどの世界規模のイベントがあるし、そこでは巨大なお金が揺れ動く。個人のクリエイターが入るスキなんて無いようにも感じる。

しかしニッチの分野を狙えばまだまだ可能性があることを示す事例を今回は紹介する。

このニュースレターはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。

個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、そのコンテンツを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。


👫 もくじ

  1. あたえよ、さらばあたえられん
  2. ツイッターも同じ法則
  3. 【他人のニュースレターを勝手に分析】女性をターゲットにしたスポーツ系ニュースレターがウケる理由
  4. 女性3人の創業者
  5. スポーツとコミュニティ
  6. メディアはニュースレター
  7. ターゲットの顧客は女性のスポーツファンだけではない
  8. 素人ゆえの強みを活かす
  9. ニュースレターにはスタイルが要る
  10. あなたがクリエイターならぜひ購読


🚣 あたえよ、さらばあたえられん

最近「あたえよ、さらばあたえられん」という言葉が身にしみている。

それはこの「1万ドル以上を稼ぐ個人サブスクメディアを徹底的に分析したらこうなった」をはじめてから四六時中いいニュースレター情報を調べるようになったから。

週に1回、読者のみなさんにご満足いただけるレベルで情報を収集して発信するのはわりと労力がかかる。時間をかけて調べるし、調べた内容もそのままではなく、納得できるぐらいには噛み砕かないといけない。さらにニュースレター情報のほとんどは英語だし、じっくり読み込まないと本質が掴めないこともある。

じゃあ苦労ばっかりか、というとそうでもない。「あたえよ、さらばあたえられん」の言葉の通り、いいと思った情報を発信してどんどんネット上の誰かにgiveしてgive しまくれば、それなりに返ってくるモノがある。



🚴‍♂️ ツイッターも同じ法則


同じように「あたえよ、さらばあたえられん」の発想をツイッターでもやっている。いいニュースレターを調べる過程で知ったこと、有益な情報をできるだけツイッターで発信している。少しではあるが徐々に効果が出てきたのも感じている。

やはり「欲しい!欲しい!反響が欲しい。読者が欲しい。フォロワーが欲しい」なんて言ってばかりでは何にもならない。まずあたえることが先。しかもそのあたえる内容は相手が本当に欲しいモノでなければいけない。

正直、今までの自分がツイッターに入れていた内容は「どこどこの飯が美味かった」とか「それをどこの誰が知ってどうするの?」ってのが多かった。反省している。

なので今はとにかく有益な情報発信をこころがけている。

これだけ英語のニュースレター情報、ネット上での集客情報を読み漁ってる人って日本語圏にはあんまり居ないと思っている。そこまで調べて情報発信しているのだから有益なのは確実だ。

ぜひツイッターもフォローしてもらって、そこで参考になりそうな情報を見つけてご活用ください。




先日、購読者数が1000人を超えました。ありがとうございます!




【他人のニュースレターを勝手に分析】女性をターゲットにしたスポーツ系ニュースレターがウケる理由


今回とりあげたのはThe GISTのニュースレター。The GISTは女性向けのスポーツメディアのニュースレター。この分野では間違いなくトップクラスの人気だ。

世の中には女性をターゲットにした商品は多い。しかし

スポーツ ✕ 女性 ✕ ニュースレター

という組み合わせでここまで成功した事例は他には無い。

The GISTは今ではVCから調達した資金も使って組織運営されている。もう個人クリエイターがひとりで作った感はまったく無くなっている。

しかし創業者達が最初にこのプロジェクトを立ち上げた当初はまさにニッチを狙ったニュースレター戦略が忠実に実行されていたことが分かる。

個人のクリエイターにとても参考になる戦略だったので、そこを徹底的にレポートする。



🤾‍♀️ 女性3人の創業者


数年前Ellen Hyslop、Jacie deHoop、Roslyn McLartyの3人は金融のバックグラインドを持ってとあるカナダの会社で働いていた。3人でバーにいる時にふとスポーツの話になった。そこで大きなビジネスチャンスに気がついて、The GISTという女性向けスポーツに特化したニュースレターの創刊にいたった。


創業者の3人


超カンタンな創業物語だが、実際はそんな風に説明できるほどカンタンなもんじゃない。



🏋️‍♀️ スポーツとコミュニティ

実はスポーツというのはコミュニティと密接な繋がりがある。まずどこかのチームのファンというだけでも帰属意識を高める。あるスポーツが好き、という話題だけでも同じスポーツが好きな人同士をつなげる。

それがどんな形であってもスポーツメディアの運営とそれによって副次的に作られるコミュニティの運営は切っても切り離せないものになっている。

スポーツが好きな女性はもちろん、ちょっと興味がある女性も含めて、彼らのニーズをささえるメディアはほとんど存在しなかった。コミュニティへの参加なんてほぼ無理だった。そういう状況にもかかわらず北米では年々女性アスリートの活躍と女性スポーツのマーケットが増大していた。

その成長率は市場が成熟してしまっている男子スポーツとは比べ物にならないほどだった。



🏌️‍♂️ メディアはニュースレター

  • ニッチを狙うこと
  • コミュニティを形成すること
  • 低資本での参加が可能なこと

これらの条件をピッタリ満たすのがニュースレターだった。特にニュースレターは、コミュニティを構築し、読者と本当の関係を築くことができる。

現在のThe GISTはポッドキャスト、他のSNSプラットフォームも活用しているが、初期の段階でニュースレターに目をつけてそこから発達したのは興味深い。


🏊‍♀️ ターゲットの顧客は女性のスポーツファンだけではない


じっくりとThe GISTのニュースレターを読んでいくと読者ターゲットにしているのが単なる女性のスポーツファンだけではないことが分かってきた。

スポーツメディアにおける女性アスリートに関する報道は4%未満、スポーツジャーナリストの女性比率は14%未満。女性アスリートと同じかそれ以上に女性のスポーツジャーナリストの社会進出が課題になっている。

女性の声と視点で提供されるスポーツニュースに興味を持つ女性読者は多いはず。でも女性スポーツジャーナリストの絶対数が少なくそのニュースが届きにくくなっている。

そこでThe GISTでは女性のスポーツジャーナリストに向けたコンテンツを発信している。女性スポーツのビジネス的な側面や、いかにジャーナリストとして活躍するか、にしぼったコンテンツ。

これはとても興味深い内容だった。かなりニッチな分野のコンテンツだ。ニュースレターはニッチで熱心なファンがいる分野をおさえたモノが勝つ。

「女性でスポーツメディアのジャーナリストとしてみたい!」と考える人は世の中の数パーセントかもしれないが、彼らなら必ずThe GISTを購読するだろう。なぜならそんな情報はThe GIST以外にほとんど存在しないのだから。

そうしたターゲット向けコンテンツのひとつとしてThe GISTではスポーツ産業界の女性向け求人情報を扱っている。




⛹️‍♀️ 素人ゆえの強みを活かす


創業者の3人は誰もメディア事業の経験、スポーツ事業の経験が無かった。しかしだからこそ素人ゆえの強みが活かせた。業界の通例に従うことがまったく無かったからだ。

たしかにThe GISTのコンテンツを読んでいくと、通常のスポーツメディアとは大きく異るところが多々ある。顧客のニーズをひとつひとつ拾って、コンテンツを構築することで結果的にスポーツメディアを再発明したようだ。

これとまったく同じ発想を前々回の分析で紹介したMorningBrewというニュースレターの創業者からも聞いた。


thegistca

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🏄‍♀️ ニュースレターにはスタイルが要る

創業者のEllen Hyslopがインタビューでスタイルの重要性を語っていた。

当初のThe GISTのコンテンツは全て創業者の3人が順番に書いていた。3人ともライターとしての教育は受けていない。そこにフリーランスのライターを雇ってこれから拡大していこう、と考えていた時期にふとプロの編集者にThe GISTを見てもらう機会があった。

The GISTを見た後のその編集者のコメントはかなり辛辣だった。

  • このままではスケールしない
  • まったく統一されたスタイルがなく、読む記事ごとに異なる感想を持つ
  • この調子ではフリーランスライターを1000人雇っても解決しない

つまり誰かが全コンテンツに統一されたスタイルを監督する必要がある、と。

その編集者の指摘はものすごく細かいところにまで及んだ。

  • 書き出しの文体
  • タイトルの付け方
  • 絵文字の使い方とその頻度
  • 選手の名前とチーム名の書き方
  • 読者にアクションを促す時の書き方

これら全てにルールを作って統一しろ、と。これはパッと聞いただけだと「?」と感じる。全てのコンテンツは固有で別の内容だから、多少は異なっていて当たり前だろうと考えてしまいがち。しかしルールを作って統一したスタイルを打ち出すことはブランドの認知につながる。

そう考えて他のウェブや雑誌、新聞のメディアを考えてみると、そのどれもに統一されたスタイルがある。日経新聞には日経新聞の、WIREDにはWIREDの、ファミコン通信にはファミコン通信の、GIGAZINE(ギガジン)にはギガジンのスタイルがある。

読者はその文体やタイトルを何度か読むうちにそのスタイルをブランドとして認知する。そういうのがニュースレターにも必要。


この指摘は私自身にもかなり参考になった。ひとりで書いているからそこまでスタイルのばらつきが出ることはない。ただ「同じスタイルを貫くことでブランドの認知につながる」とまでは考えていなかった。

これからはスタイルを意識して発行するようにする。


以上が今回の分析の結果でした。いかがでしたでしょうか?ぜひ感想やご質問をお寄せください。

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あなたがクリエイターで少しでもニュースレターの発行を考えているのなら、ぜひこの「1万ドル以上を稼ぐ個人サブスクメディアを徹底的に分析したらこうなった」を購読してください。あらゆるニュースレターのノウハウを詰め込んでます。きっと参考になるはず。

ではまた次回の月曜日の朝にお会いしましょう。まだ未購読の方はまた次回に会うために購読が必要ですよ!