第９５回目は有料ニュースレターで売上を上げる方法について。もうずっとやってきたので有料ニュースレターのやり方はある程度は分かってきた。

しかしあまりにも有料ニュースレターを発行するプレイヤーの数が特に日本語では少なすぎて、単純なノウハウもまだ浸透していない。

有料のコンテンツだからといって有料noteとはまったく違うし、ブログとも全然違う。

有料ニュースレターの配信をお考えの方はぜひこの記事を参考にして、少なくともスベらない対策にしてください。

個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。

👫 もくじ

1. 写真日記：ブランデンブルク国際空港
2. 有料ニュースレターでスベらずに売上を上げる方法
3. 継続的に売上げが立つモデル
4. ビジネス構成が異なるコンテンツビジネス
5. 無料で公開するブログのビジネスモデル
6. 有料noteもしくは買い切りコンテンツのビジネスモデル
7. 無料で購読するニュースレター
8. 有料ニュースレターのビジネスモデル
9. そもそもどんな購読者を集めているのか
10. ひとつの記事の反応が売上につながらない
11. マーケティングの重要性を言い訳にしない
12. その分野でトップの中のトップの情報だけが課金される
13. 課金しないと分からない

🛫 写真日記：ベルリン・ブランデンブルク国際空港

🐕‍🦺 有料ニュースレターでスベらずに売上を上げる方法

有料ニュースレターの運営はめちゃくちゃに難しい。

実際にやってみると、とにかくこれを実感する。その理由は他のテキストコンテンツとはビジネスの構造が違うから。構造が違うのにムダに表面だけは似ている。だから勘違いされてしまう。

「それって有料noteみたいなもんでしょ」「つまりブログをeメールで送るってことだよね」とか。

これらは完全には間違っていないし、合ってもいない。配信者として有料ニュースレターに関わるのなら、このような浅い理解ではかなり危険。そのままでは勘違いしてスベる可能性が大きい。

なのでこの記事ではどのように攻略していけばいいのか、を丁寧に解説した。

🥑 継続的に売上げが立つモデル

有料ニュースレターは正しく運営することで継続的に売上げが立つモデルになっている。

この「【週刊】１万ドル以上を稼ぐニュースレターを徹底的に分析したらこうなった」の売上げは有料開始から１０ヶ月で累計が約１７０万円を超えた。運営にはまだ未熟な部分が残っているので、それらをもっと上手くすればもっと伸びるだろう。

未熟な運営でもそれなりの売上げにはなる。これは有料ニュースレターのビジネスモデルによるところが大きい。

まず課金がサブスクリプションだからずっと継続して売上げが立つ。打ち上げ花火のようにある時にパっとお金が入って終わりではない。毎月毎月、継続してお金が入ってくる。月の売上げはガツンと上がることもないし、下がることもなく、安定している。

私の売上げはこの程度で収まっているが、こんな額を遥かに超えて稼ぎ出す人が「みんなのニュースレター」から出てくると予想している。それぐらいにこのビジネスモデルは強力だからだ。

ただそこで「継続収益になるならいいな」とだけ考えて有料ニュースレターに踏み込んでしまうのは危険。ここで解説する「ビジネスモデルの違い」を意識していないと、カンタンにスベってしまう。

少なくともスベらない方法を書いたのでぜひ参考にしてください。

🦖 ビジネス構成が異なるコンテンツビジネス

コンテンツビジネスは形態によってビジネスの仕組みが異なっている。

大きく分けて現在ネット上で展開されているテキストコンテンツのビジネスモデルは以下の４つのどれかに当てはまる。コンテンツから収益性を確保して自律可能にしている例だけを取り上げた。「お金は入らなくても文字が書けるだけでいい」という発想のコンテンツはのぞいた。

テキストコンテンツのビジネスモデル分類

• 無料で公開するブログ
• 有料で買うnote記事（買い切りの有料記事）
• 無料で定期購読するニュースレター（メルマガ含む）
• 有料で定期購読するニュースレター

ポイントはそれぞれのビジネスモデルからウケるコンテンツ内容も変わること。「ウケる」という概念が４つの中で異なっている。

ニュースレターの配信者はこれを理解しておかなくては、AでウケていたものをBに持ってきてもスベる。確実にスベる。

なぜなら勝負しているフィールドが違うから。サッカーの練習を積み重ねた人が本番の試合で卓球で勝負をしてはいけない。サッカーならサッカーでやるからこそ勝てる。

有料ニュースレターの仕組みをご理解いただくために、まずは４つのモデルを順番に分析した。

🙎 無料で公開するブログのビジネスモデル

今でもテキストコンテンツの中でもっとも巨大な市場を築いているのは無料ブログ。無料ブログのビジネスモデルはこれ。

1. 無料でブログコンテンツを公開する。誰でもタダで閲覧できる
2. できるだけページビューを獲得する
3. コンテンツに挟み込んだ広告やアフィリエイトをクリックしてもらって収益化する

ここで必要とされるのはできるだけページビューを集めること。とにかく大量の読者を集めること。どんなコンテンツがここで人々の注目を集めるのか？それは「読者が既に知っている内容」のコンテンツ。知らないことを勉強するのはしんどい。知っていることの方が安心できるし、楽だし、実際ウケる。

例えばこんな感じ

• 流行っているアニメの感想
• • 好きなアニメ、知っているアニメの感想を読んでさらに好きになる
• 芸能人の不祥事
• • 誰もが知る芸能人を弾劾してウサ晴らしをする
• ゲームの攻略方法
• • 知っているゲームについてさらに知る

無料ブログでウケるコンテンツは内容は違ってもこんな感じになっている。無料ブログで活躍している人のコンテンツは素晴らしく読みやすく、ほとんどの脳に負荷がかからない仕組みになっている。気が付いたら「たくさん読まされていた！」なんてことも起こる。

もしこのテクニックをそのまま有料ニュースレターに適用するとどうなるか。「お金を払ってまで定期的に読む理由がない」となり儲からない。芸能人のゴシップが書かれた月額１０００円の有料ニュースレターはちょっと考えにくいと思う。

🧸 有料noteもしくは買い切りコンテンツのビジネスモデル

有料noteに代表される買い切りコンテンツビジネスモデルはこれ。

1. コンテンツの前半部分は無料で読める。途中で有料の壁を作り、後半は課金した人だけが読める有料コンテンツにする
2. 前半の無料部分でいかに以降の有料コンテンツが有益であるかを強調する
3. 気に入った読者が有料コンテンツを購入する

私も有料noteを含めてこんな感じのコンテンツをいくつも買っている。本当に有益な有料コンテンツはたくさん存在する。それらの共通点はとにかく有益であること。

しかしこれと同じノリで有料ニュースレターを配信するとどうなるか？おそらくとても解約率が高くなる。ニュースレターは定期購読して継続的に読むもの。ひとつひとつの記事が分断されていない。

それを有料noteのようにひとつの記事に対して有用性を強調して、ジャッジしてもらうことをすると「この記事はいいけど、これはダメ」となる。それはそのまま継続を前提としていないことになり、ネタ切れ感が出たり、有益さの期待に応えられないようならスグに解約されてしまう。

私はクリエイターの方達がこの路線に乗ってしまう危険性をもっと分かって欲しい。まず英語圏でバリバリにウケている有料ニュースレターは記事ごとの有益性で売っていない。この辺りは過去記事でなんども分析して解説してきたので、気がついている人は多いと思う。

⛸️ 無料で購読するニュースレター

無料で購読するニュースレターのビジネスモデルはこれ。この「【週刊】１万ドル以上を稼ぐニュースレターを徹底的に分析したらこうなった」でも何度も紹介してきたし、収益化においてもかなり有効な手段のひとつになっている。

1. 無料ニュースレターでたくさんの購読者を獲得する
2. コンテンツの中に広告や有料商材を挟み込む
3. 購読者の広告クリックや商品購入により収益化する

ここで求められるコンテンツの種類は「定期的に読みたい内容」になる。同じ無料コンテンツでも無料ブログとは大きくことなる。

例えば無料ブログでは良くも悪くも芸能人の不祥事やらを記事にすれば巨大なページビューが発生する。が、そんなのを定期的に毎週購読してでも読みたい人なんていない。だいたいはついつい目がいってサラっと読んでいるだけにすぎない。どれほどマスの軽いニーズを捉えていたとしても、その深さや継続性はほぼ無い。

無料のニュースレターでよくある定期的に読みたい内容とはこんな感じ

• 時事ニュース
• 料理レシピ
• 最新AIニュースと使い方ノウハウ

ここに入る広告はただの一過性の広告ではなく、かなりターゲットが絞られてしかも何度も購読者へアピールできる濃い広告になる。ニュースレターに入る広告単価は他と比べて高く取れるのでいいビジネスモデルになっている。

しかし配信者ならここで考えるかもしれない。「果たしてこの延長線上に有料ニュースレターがあるのかな？」と。その答えはきっと無い。無料の延長線上に有料ニュースレターは無くて、それぞれは別のビジネスモデルに基づいた別のメディアと言った方がいい。

実際、英語圏でバリバリに活躍している無料ニュースレターはほとんどが有料コンテンツに切り替えない。それらはずっと広告ビジネスを中心に展開しているし、それが正解だと思う。

🦭 有料ニュースレターのビジネスモデル

有料ニュースレターのビジネスモデルはこれ。この「【週刊】１万ドル以上を稼ぐニュースレターを徹底的に分析したらこうなった」も忠実にこのモデルに従っている。

1. ニュースレターを配信し、コンテンツの途中に有料の壁を作る。前半は無料公開、後半は課金者だけが閲覧できる
2. 無料で購読する人を集める
3. 無料購読から有料購読へと導く

購読者を獲得する経路はだいたいがSNSからになる。ニュースレター自体には拡散力がないので、X（旧：ツイッター）やThreadsを使って見込み客をコンテンツに引き込む。その後は以下の順番

1. SNS。X（旧：ツイッター）やThreads
2. 無料購読
3. 有料購読

この３ステップでしかない。しかしこの３ステップ目にまで到達してもらうのが至難の業になっている。

ここからどのようにして有料ニュースレターを売ればいいのか、を分析した。

👶 そもそもどんな購読者を集めているのか

有料ニュースレターの運営は購読者層のデザインからはじまっている。それはコンテンツを作るもっと前の段階からスタートしている。もうその購読者層のデザインでほぼ勝負が決まっている、と言ってもいい。

無料コンテンツはここまでです。

以下の有料コンテンツでは本当にニュースレター配信に興味のある方に向けて実践的なノウハウが書かれています。

有料コンテンツの内容

• そもそもどんな購読者を集めているのか
• ひとつの記事の反応が売上につながらない
• ネットフリックスを契約／解約する理由
• マーケティングの重要性を言い訳にしない
• その分野でトップの中のトップの情報だけが課金される
• 課金しないと分からない
• 継続性が仕組み化されたニュースレター