user【週刊】1万ドル以上を稼ぐニュースレターを徹底的に分析したらこうなったsearch
誰もやらないからこそ、やりきれば人と違った成果がえられることをTLDRから学んだ
【第20号】今回の分析はたったひとりの運営で億単位の収益を出しているニュースレターを選んだ。そこで学んだことをそのまま自分のに応用したら、すごい成果が出た。
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ジャバ・ザ・ハットリ
2023/05/01

第20号目の今回はIT系ニュースを配信するニュースレターを取り上げた。有名なニュースレターだし、すでにご存知かもしれない。しかしその意外な集客方法まではなかなか知られていないと思う。さっそく今回の分析で学んだことを自分で応用したら、すごい成果が出た。その成果はこの記事に最後に書いた。

このニュースレターはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。

個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、そのコンテンツを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。



👫 もくじ

  1. 購読者獲得はとにかく難しい
  2. 【他人のニュースレターを勝手に分析】誰もがやらないからこそ価値がある集客
  3. 購読者数は100万人、年間収益は約6−7億円
  4. 内容はITニュースの要約
  5. ビジネスモデルはスポンサー広告
  6. 普遍的な内容だから集まる購読者と広告
  7. ニュースレターの有料広告
  8. みんなやらない、やれないニュースレターの有料広告
  9. 効果測定オタク
  10. みなさんからのコメントとその回答
  11. NVIDIAの投稿失敗から再復活するまで



🐵 購読者獲得はとにかく難しい

ニュースレターを運営していて、とにかく苦労するのは購読者を獲得するところ。もしあなたがツイッターをやっていて、それなりにフォロワー数を獲得している人だったとしたら「購読者数ってフォロワー数みたいなもんかな」と思っていたら、それは全然違う。

なぜなら購読というのはそのニュースレターの内容を気に入ってもらって「継続的に読みたい!」と思ってもらい、かつメールアドレスを入れてもらう必要がある。ツイッターのフォローとは深さがまったく異なる。

これまでさんざんすごいニュースレターを運営している人達を調べてきたが、彼らのニュースレターの購読者数はツイッターフォロワー数の数百もしくは数十分の1がいいところ。

なのでツイッターで人気の人がニュースレターを開始したら自動的に購読者が獲得できる、なんて単純な理屈は成り立たない。そういう意味で今回の分析は特徴的な購読者獲得の方法を実施していて、かなり参考になると思った。

実際に私は今回の分析で学んだことをそのまま応用して、すごい成果が出た。その内容はこの記事の最後に書いた。

現在の購読者数は3668名。みなさん、ご購読ありがとうございます!



【他人のニュースレターを勝手に分析】誰もがやらないからこそ価値がある集客


今回とりあげたのはTLDR。毎日、ITニュースのトピックを配信するニュースレター。題名のTLDR(Too Long; Didn’t Read)「長いと読まねー」の示すようにポイントを絞って短くまとまっているニュースレターだ。

TLDRのリンクをクリックして中身を見るとすごくシンプルな作りになっていることから見過ごしがちなことがある。それはこのシンプルなニュースレターTLDRは億単位の収益をあげている、ということ。

Dan Ni
著者のDan Ni氏



🏳️‍🌈 購読者数は100万人、年間収益は約6−7億円


著者のDan Ni氏はそこまでメディアの露出が多くはない。しかしいつくかのポッドキャストのインタビューとその記事があったので、そこから調査した。2023年1月時点のインタビューで語っていたのが「75万人」

現在はトップページに1,000,000の表示がある。正確な数値は不明だが、だいたい100万人と考えていいだろう。彼は今も基本はたったひとりでこのニュースレターを運営している。

2015年、アメリカのイェール大学を卒業したDan Ni氏はウェブスクレイピングのAPIを管理する会社を立ち上げて、そこそこの収益を得ていた。結果的にその会社は2020年に大手のSaaS会社に買収される。

2018年にDan Ni氏は「ITニュースのニュースレターをやってみよう」とふと思いつく。普段からいろんなニュースサイトを見ていて、これらを短くまとめて毎日メールで送ってくれたらいいのに、と考えたから。

当時はまだ現在ほどのニュースレター文化が発達しておらず、だったら自分で作ってしまえ、という発想。

最初の20ヶ月で13万人の購読者を獲得する。購読者獲得のペースはその後、2022年8月までほぼ同じペースだった。

しかし2020年の8月にある集客方法を本格的に実施してその後は急激に購読数が伸びて、今は100万人までになった。



📱 内容はITニュースの要約

TLDRのコンテンツは全て文字情報のみ。ITニュースへのリンクがあって、その下に8行ほどの要約がある。リンクを押さなくても要約だけをザっと読めば、その日の主要ニュースが把握できる仕組み。

著者のDan Ni氏はこれらのニュースの要約のかなりの部分はプログラミング化されていて、1日に30分かそれ以下で書くことができる、と語っている。ひょっとしてGPT-4とか使ったら、もっと短い時間で完成するかもしれない。

とにかくたったそれだけの労働時間ですごい収益を産む構造になっているのはすごいことだ。



🙆‍♂️ ビジネスモデルはスポンサー広告

ニュースの要約があって、その中に(Sponsor)と書かれているリンクがある。これがTLDRの収益源であるスポンサー広告。

これが広告の例。他のニュースの要約とまったく同じフォーマットになっている。しかも内容はほぼIT系だし、読者はニュースと同じ感じで読んでしまう。これはGoogleの検索結果に出る広告のように「これは広告です!」ってなってない。クリック率を高めつつ、読者をイヤな気にさせないようになっている。

広告の例


広告は次の3種類

  • トップセクション
    • 値段 $15000/投稿
    • クリック数 2000-4000
    • 1クリック当たりの値段 $4-7
  • プログラミングセクション
    • 値段 $10000/投稿
    • クリック数 1500-3000
    • 1クリック当たりの値段 $4-6
  • クイックリンク
    • 値段 $5000/投稿
    • クリック数 1000-1500
    • 1クリック当たりの値段 $3-4


ざっと見ただけでもTLDRの記事にはほぼ毎日2,3の広告が入っている。これが毎日積み重なって億単位の収益になっている。

ここまででだいたいTLDRの内容がご理解いただけたと思う。

以下に私なりになぜこのTLDRが億単位の収益を叩き出しているのか、の理由を分析した。



🚂 普遍的な内容だから集まる購読者と広告


TLDRの内容は実はとても普遍的。ITニュースの要約ってもう腐るほどある。しかしその普遍性を逆手にとって、ある規模以上の購読者を集めてしまえば、それはすごい収益源になる。