第７１回目はマーケティング手法を紹介するニュースレターをとりあげた。これはそのニュースレターの著者の話。

ハーバード・ビジネス・レビューって読んだことある？もう俺たちにとってはクソみたいなもんだよ。
巨大企業のケーススタディーを参考にできるのはお偉い大企業のCEO様だけ。あんなのがクリエイターや個人事業主の参考になる訳がないんだ。じゃあ俺たちにとってのハーバード・ビジネス・レビューってなんなんだ？無いよな。ってことでそれを作ったんだ。

個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。

👫 もくじ

1. コンテンツを消費する姿
2. 【他人のニュースレターを勝手に分析】マーケティング
3. あなたがグレートなマーケッターになるために
4. 毎日１％づついいマーケッターになるためのツール
5. 申し分のない実績
6. マーケティングを極めるまでの経歴
7. Marketing Examinedの発刊
8. 何が１番最初にユーザーの目に入るのか
9. ユーザーが知らないことを出してはいけない
10. 「でもなんで？」フック法
11. ５秒ごとにユーザーの関心は離れていく
12. ABテストは間違えない
13. 才能ある人たちとの人脈
14. あなたのブランドを構築する方法
15. 開封率をあげるシンプルな方法
16. 顧客をセグメント分けすること
17. 事業を通じて得た黄金のルール

🚕 コンテンツを消費する姿

パリに遊びに来てて、この記事はパリで書いている。これはフランス国立図書館の様子。立派な書物が円形の本棚に並んでいるけど、来てる人はほとんど本を読んでない。みんなコンピュータの画面を見てる。現代では本はもう飾りでしかないみたいですね。

【他人のニュースレターを勝手に分析】マーケティング手法を網羅するニュースレター

今回とりあげたのはMarketing Examined。テーマはコンテンツマーケティング。クリエイターにとって参考になるノウハウが詰まっている。

著者はAlex Garcia氏。

😀 あなたがグレートなマーケッターになるために

Marketing Examinedのコンセプトはあなたがグレートなマーケッターになるための全てがある場所。

最初はよくあるマーケティング系ニュースレターのコンセプトだなー、とだけ思っていた。しかしずっと読んでいくと本当にこれこそがグレートなマーケッターになる道で先人たちもこうして達成したのだ、と実感するようになった。

著者のGarcia氏のマーケティングに対する考え方と経歴がそのままニュースレターのコンセプトを示している。

🐢 毎日１％づついいマーケッターになるためのツール

「モノを売る」という深淵なるスキルのマスターは１日では達成できない。しかし毎日１％づつ向上させることはできる。Marketing Examinedの購読は正に毎日１％づつ、いいマーケッターになるためにある。

とても繊細な顧客心理によって判断されるマーケティングは細かい技術の組み合わせになる。それら全てをいきなりマスターすることはできない。

しかし数分で読み切れるようなノウハウにして１通づつ届くメールで丁寧に教えてもらうことで、ちょっとずつ「おお！そんなやり方があるのか！」と気付きが与えられる。この１％の向上がデカい。

アインシュタインも言ったように複利の力は強大で恐ろしい。新聞を１０回折りたたむと富士山の高さ以上になるように、毎日続けて掛け算することは想像できないほどの効果を生む。

Marketing Examinedを購読すれば誰でも応用可能なマーケティング手法が少しづつ手に入るのだから。

🏆 申し分のない実績

Marketing Examinedはマーケティングのマスターが発行しているだけあって圧倒的。

ニュースレターは複数発行されていて、現在の合計購読者数は２０万人以上。収益モデルはスポンサー広告と有料コミュニティー、コンサル料。スポンサー広告の収益だけでも月に日本円で約１０００ー１４００万円。

コミュニティーとコンサルについては多くのクリエイターと協業をしており、守秘義務やらがあって収益額は公開されていない。

Garcia氏のXアカウントのフォロワー数は１８万人。これも彼の独自のマーケティング手法でわずかな短期間で達成した数字。

ニュースレターの実績としては十分と言ってもいいだろう。そこら辺の「マーケティングを教えます」と言いつつご自身の実績はショボいままのとはまったく違う。

🥑 マーケティングを極めるまでの経歴

Garcia氏の経歴はそのままマーケティングを極めるまでの道筋を示している。

彼は学生の頃はNFL入りを期待されるアメリカンフットボールの選手だった。しかし大学時代に怪我をしてしまい、スポーツを断念することになった。スポーツ特待生としての奨学金を打ち切られたので大学を休学した。ずっとスポーツを通して培ってきたアイデンティティを失った彼はこれから何をするべきなのか分からなくなり、旅に出ることにした。

旅先でさまざまな写真とビデオを撮ってネットにアップし続けた。そのうちに友人たちの注目を集めるようになった。「君っていいビデオを撮るよね」と。

旅を終えた彼は「ビデオと写真の技術でお金を稼ぐことってできるかな」と考えた。調べてみると地元のバーやカフェのSNSコンテンツはかなりショボい。自分だったらもっといいのが作れることに気がついた。

そこでバーやカフェを回って「SNS運営を請け負いますよ。いいビデオと写真を撮ります」と営業して回って仕事を取ってみた。これが当時の彼の写真。

さすがに半裸で営業に来ることはないだろうが、このルックスでバーやカフェに仕事を取りに来たらいかにもウケそう。YouTubeでGarcia氏の話す様子を見たが、彼の人と対面した時に発揮されるトークスキル、セールススキルは相当なもんだと感じた。きっとバーを回って仕事を取りに行っていた時に鍛えられたのだろう。

地元の店のSNS運営を手伝う中でマーケティングスキルを向上させていった。

🎯 Marketing Examinedの発刊

ニュースレターの発刊はちょうどコロナ禍のタイミングだった。

地元の飲食店のSNS運営代行で十分な収益を得ていたが、コロナ禍により暗雲がさす。それでもこれだけマーケティングスキルがあるのだから、このタイミングで自分のメディアを持つべきだろう、と考えた。

最初にとりかかったのがX（当時のツイッター）運営。最初は５００人だったフォロワー数をたったの２ヶ月で４万人にまで持っていく。（この時のやり方は後の章で解説）

その後、ニュースレターを発刊。複数のニュースレターを同時に発刊し、現在では合計購読者数が２０万人を超える。

これらの実績を支えたのがマーケティング手法だった。この経歴からも分かるように正にマーケティングをテーマにしたニュースレターを発行するためにあったような歴史だ。

以下の章でMarketing Examinedで解説されている手法をいくつか抜粋して紹介した。

🏇 何が１番最初にユーザーの目に入るのか

文字、動画、音声とほぼ全てのコンテンツにおいて最も重要視されるのがフック。

フックは文字コンテンツにおいては最初の１行。動画や音声だと最初の３秒のユーザーを惹きつけてその後のコンテンツへと進ませる部分のこと。これなくしてコンテンツは存在しえない。

もしあなたのフックが機能していなければ、どんなに素晴らしいコンテンツがあったとしてもユーザーにとっては存在していないことになる。なのでコンテンツ生成の９５％はフック作成に注がれる。

このポイントは何が１番最初にユーザーの目に入るのか、を意識すること。

🥞 ユーザーが知らないことを出してはいけない

フックはユーザーがひとめ見ただけで瞬間的に理解できるようにしておくこと。ここにユーザーが知らないことがあってはならない。

悪い例:

• どうやってブラックベリーがステータスシンボルに上り詰めたのか

良い例:

• このスマフォはiPhoneが登場する以前、ステータスシンボルとして君臨していた

今のZ世代やミレニアル世代はそもそもブラックベリーを知らない。なのでフックに「ブラックベリー」などという意味不明な単語を使ってはいけない。

ブラックベリーを知らなくても分かるように「iPhone」という誰でも知ってる単語を使って説明すること。

私たちの脳は知らない単語があるとそこで勉強モードに入ってしまう。勉強モードに入った瞬間、もうそのコンテンツは消費されない。スクロールされて飛ばされる。

説明はフックの後のコンテンツですること。

無料記事はここまで。無料購読の方もぜひ１度Marketing Examinedを覗いて見てみることをおすすめします。きっと参考になる手法が見つかると思う。

以下の有料コンテンツではより具体的なマーケティング手法として以下の内容を掲載している。

• 「でもなんで？」フック法
• ５秒ごとにユーザーの関心は離れていく
• ABテストは間違えない
• 才能ある人たちとの人脈
• あなたのブランドを構築する方法
• 開封率をあげるシンプルな方法
• 顧客をセグメント分けすること
• 事業を通じて得た黄金のルール