第41号目の今回はIT業界の有名人達がやり取りした過去のメールを暴露するニュースレターについて。ニュースレターが示す価値として参考になったので紹介する。
これはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、そのコンテンツを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
前回の号からメール配信は「みんなのニュースレター」を使って行っている。前回はかなりの混乱を極めた配信になってしまった。
まずニュースレターになるとある程度のまとまった数のメールを一気に送る必要がある。
1通や数10通なら無料のメールでも、ある程度の数を超えたら有料で配信しなければならなくなる。不運なことに私の配信タイミングと契約したメールサーバー会社の新機能リリース、バグフィックスが重なってしまった。
おかげでせっかく書いた記事が迷惑メールに扱われたり、配信タイミングが最大で40時間も遅れたり、悲惨な船出になってしまった。
ご迷惑をおかけした購読者のみなさんへ、すみませんでした。
不具合やご意見があればいつでもご報告ください。
メールを受け取るメールボックスプロバイダーは各社が提供している。Gメール、ヤフー!メール、Outlook、iCloudなどがあってそれぞれがメール送信元のIPアドレスとドメインを評価している。なぜなら世の中には迷惑メールがあまりにも多いから。
メールはその特性から受け取りを拒否することができない。必ず受信者のメールボックスに入ってしまう。そのことを利用して求めてもいないダイレクトメールを大量に送りつけてくる業者が後を絶たない。
それらの対策として各メールボックスプロバイダーが送信者を評価して、低い評価の送信者のメールを迷惑メールとして扱うようになった。
不正確な受信先に大量のメールを送りつけたりするとその送信元のドメインとIPアドレスの評価は下がる。
他にもコンテンツ内に不正なプログラムを仕込むと当然ながら評価は下がる。いろいろと評価が下がるポイントがあって、とにかく変なメールを送るとそれはもろに影響するので注意が必要。
前回の「みんなのニュースレター」からの配信はいろんなことが重なって、迷惑メールとして扱われる比率が異様に高まってしまった。送信元のドメインの評価もかなり下がったようだ。
しょうがないから今後の対策で改善するしかない。
この「1万ドル以上を稼ぐ個人サブスクメディアを徹底的に分析したらこうなった」は以前はサブスクタックで運営されていた。そこから購読者のメールアドレスをエクスポートして引き出し、それを「みんなのニュースレター」に移管して配信した。
しかしエクスポートしたアドレスリストには送達不可のアドレスがたくさん含まれていた。送達不可とは以前は使っていたけど、現在はメールアカウントが削除されていたりして、使えないアドレスのこと。
エクスポートファイルは他社に渡す情報。そんな競合には最低限の約束であるメールアドレスさえ渡しておけば、後はそちらでご自由に、という発想だろう。
このことで不本意ながら多くの送達不可メールを送ることになってしまった。これもドメインの評価が下がった原因。
今、使っているメールサーバー会社はいろいろと問題があった。メールの開封率はそのメールサーバー会社が提供している機能を使っているが、とにかく信用できない。なので自前で開封率を収益する機能を作った。
今回のメールの開封率は自前で集計する。そして他のメールサーバー会社に移すことを検討している。
メールサーバー会社からのバグ報告の一部
We've investigated it and could identify that indeed, there is an issue with our retry logic that delays sending emails over the limit. It was escalated to our product team for investigating and fixing.
Meanwhile, we increased your limit to 4000 emails/ hour to unblock you.
Apologies for the caused inconvenience!
とにかくいろいろ事故があったけど全ては私が発行するニュースレターにあったことでよかった。もしこれが募集したライターさんのニュースレターだったら、大変なことになる。
ニュースレターの発行にはかなりの労力が要る。募集したライターさん達が労力をかけて作られたコンテンツは貴重な資産。それを無駄にはできないし、迷惑をかける訳にはいかない。
とにかくライターさんの募集は私のニュースレターをしっかり安定稼働させてからにするつもり。
今回、紹介するのはInternal Tech Emails。そのタイトルの通りテーマはIT業界の内部情報メールを暴露するニュースレター。
枯れた技術と言われるEメール。インターネットの歴史の初期のころからコミュニケーションツールとして使用され、それが今でも続いている。「もう今さらメールなんて使わない」なんて言いつつ、主要な情報は今でもメールを通して行われる。
本人確認やお金の引き落とし、EC商品の購入などはやはり今でもメール。
そんなメールはもちろんのようにIT業界でも重要な決定事項において使われている。Internal Tech Emailsは業界内部の関係者に宛てたメールをどこからか入手してきて暴露するニュースレター。
Internal Tech Emailsを読めばITの歴史の転換点に立ち会うことができる。コンテンツの内容は例えばこんな感じ。
スティーブ・ジョブズがAppleのCEOをしていた時にAppleが音楽業界に殴り込みをかけることを決定した時に発信したメール。
マーク・ザッカーバーグが数年前「フェイスブックはインスタにユーザーを奪われてしまう。その前にインスタを買収してしまえ!」と書いたメール。
これらはITの歴史でとても重要な内容で、しかも誰かの脚色が入っていない。正にその当事者が発信した内容がそのままなのだから面白い。
スティーブ・ジョブズとはAppleの創業者で、セルゲイ・ブリンはGoogleの創業者。記事にあったのは2005年にセルゲイ・ブリンがマネージメントチームに送ったメール。
件名は「スティーブ・ジョブズからブチギレ電話があったんだけど」
このメールに書かれている件は既に広く知れ渡っているが、ここまでの詳細なやり取りは見たことが無かったので興味深く読んだ。
その1部を日本語に意訳した。
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