第１２７回目は最近、身の回りであったことから考えたAI時代のクリエイター生存戦略について。今回の記事は月に１回の全編無料公開です。

いつもは英語圏で活躍するクリエイターを丁寧に調べてレポートしている。でも「それだけだとAI時代に置いていかれるのでは？」って不安があって、今回は日記風に変えてみた。

👫 もくじ

1. 写真日記：イギリス、ノッティンガム
2. 「AIで全部変わる」と言われてるソフトウェア開発現場で起きていること
3. 世界中から集まる候補者たちの実態
4. 手段は変わったが本質は変わらない
5. クリエイターにとってのAIとは
6. みんなで消費するコンテンツの面白さ
7. AIツールとの親和性を高めたエディター改良
8. 表のペースト機能を改良
9. AI量産時代に向けた戦略的改良
10. 世界で一番美味しいインド料理はインドにはない
11. 観光地でもないのに美しい街並みがある場所
12. なぜ日記みたいな記事を書くのか

📕 写真日記：イギリス、ノッティンガム

ノッティンガムのすごく美味しいレストランで「演出って大事だな」と思った。

ウエイターの人がテーブルのそばにカブを持ってきて、そのカブから湯気が出てて「なんでカブから湯気が出てんだよ！」ってなった。ウエイターの人がホクホクしたカブをスプーンですくって、その上に美味しそうなソースをかけた。その様子を眺めて「これは！！」っとなってしまった。

演出をあなどってはいけない、と。

🤖 「AIで全部変わる」と言われてるソフトウェア開発現場で起きていること

「AIツールはできるだけ使って、使っているところを見せてください」

これはソフトウェアエンジニア採用の技術面談で必ず候補者に話すこと。

技術面談とはシンプルなコーディングの問題をその場で候補者に解いてもらって、その様子から技術レベルを測る面談のこと。ほとんどの候補者は自身の使い慣れたAIツールを使う。

世間では「AIがすべてを変える」と騒がれてるけど、ベルリンのスタートアップ採用現場では「全て」とまでは言えないと思う。

🌍 世界中から集まる候補者たちの実態

ベルリンのある程度の規模のITスタートアップが求人を出すと、ヨーロッパ全土、北米、南米、アジア、中東、アフリカから応募が来る。

技術面接ではコーディング問題を解いてもらったり、自社システムについて議論したりする。

誰もがAIを使うのは全世界共通。人種、国籍に関わらずソフトウェアに関わる人なら全員が使う。

採用面談でなぜAI使用を推奨するのか？の答えは単純。実際に一緒に働く時、AIを使いこなせるかどうか、で生産性に大きな差が出るから。

💡 手段は変わったが本質は変わらない

優秀な候補者ほど、AIを上手に使っている。文字通りAIが生産性をブーストしている。

現時点では「AIがエンジニアを不要にする」というより「AIを上手く使えないエンジニアが淘汰される」方向に向かっている。

さらにこれをおし進めた「非エンジニアでもソフトウェア開発が可能」「AIがエンジニアを不要にする」といった論調には、まだ現実味を感じない。

「コードはAIが書きました。何かあっても中身のことは分かりません。私じゃなくてAIに聞いてください」という人が開発現場にいることはまだ想像できない。

今のところは極端な話題が先行してはいる。

しかし、AIによる大きな変化が来ることは確実だとも感じている。だいたい今まではトップ３０％の人材が７０％の仕事をしていたが、AIはこれを加速してトップ３％だけが７０％の仕事をしそうな予感。要は大量のソフトウェアエンジニアが要らなくなる時代が来るのかな、と。

ただこれはソフトウェア開発とAIとの関係の話。情報発信をするようなクリエイターとAIとの関係はどうなるのだろう。

🌽 クリエイターにとってのAIとは

クリエイターにとってAIの流れは必ず変化がある。

AIは無限に文章を書くし、マーケティングもやるし、人の気持ちを理解する。「じゃあクリエイターはどうやってサバイブするの？」はかなりの議論が必要に感じている。

ということで「みんなの討論会（第２回）」のテーマはAIにした。

みんなの討論会とはXスペースに１０人のスピーカーさんが集まって討論を行う会。第２回目のテーマはAI。

• テーマ
• • AI時代にクリエイターが生き残る方法は？
• 日時
• • ６月１８日（水曜日）日本時間２２時から１時間
• 形式
• • Xスペースでのライブ討論
• スピーカー
• • 10名（先着順）

この討論会に出るとわりと認知が広がるし、素晴らしいスピーカーさんたちとの繋がりができるし、メリットあります。スピーカー登録は誰でも先着順で可能。まだまだ枠あります。ぜひご登録ください！お待ちしてます！

🙌 みんなで消費するコンテンツの面白さ

第２回ではリアルタイム投票がある。ライブで発言を聞いている方達がその場でいいねボタンを押して、スピーカーを応援する仕組み。

「おっ！この人いいこと言うなー！」と思ったらいいねボタンを連打。リアルタイムデータベースを使っているので、誰かがボタンを押してカウントアップされる様子は他の人たちの画面上にも反映される。

投票リンクはこちら

https://m-podcast.pages.dev/podcast/2025-05-13

どんなにくだらないテレビ番組でも友達と複数人で「これくだらねーなー」とか言って観てると面白くなる。スマフォが出てから現代ではひとり１台のモニターで暮らすようになり、当然コンテンツもひとりで消費する形態が多い。

だからこそサッカーW杯の観戦や音楽ライブイベントなど、みんなで消費するコンテンツは特別の価値を提供している。

「みんなの討論会」もみんなで消費するコンテンツの面白さを提供できれば、と考えている。

📊 AIツールとの親和性を高めたエディター改良

ニュースレター配信はもちろん、全ての情報発信の未来はAI活用にある。なので「みんなのニュースレター」の記事を書くエディターをできるだけAIツールと親和性があるように改良している。

これまでのエディターは、どうしてもAIツールが出力した内容をペーストする際に表示崩れがあった。特に表形式のデータや、複雑な構造を持つコンテンツを貼り付ける時、レイアウトがグチャっとならず、そのまま意図した通りにペーストされるように。

🛠️ 表のペースト機能を改良

今回の改良で特に力を入れたのは表のペースト機能。これはニュースレターを発行していただいているテツメモさんからのアドバイスがあったから。

テツメモさん、ありがとうございました！

テツメモさんはあらゆるAIツールを使いこなして最新情報をよく知るAIのスペシャリスト。彼のニュースレターはこちら。

【週刊】今日から始めるAI生活
毎週届く、未来を創るAIのヒント
テツメモ｜tetumemo

⚡ AI量産時代に向けた戦略的改良

今回のエディターの改良なんて可愛いもんでしかない。AIの波はそんなのじゃ済まない。おそらくAIが提供するAPIに直接「みんなのニュースレター」を繋げてコンテンツを量産するようになるだろう。

週に１本だった配信が、AIの力で週に３本、５本と増えていく。そんな時代に備えよう、と。

とにかくAIツールとニュースレター配信を連携させることで、ニュースレター配信のハードルは大きく下がった。

これまで「記事を書くのに時間がかかりすぎる」と躊躇していた方もたくさん参入してくると思う。

ただ読む人の数と読むための時間は爆発的には増えない。今の１００倍量のコンテンツを配信されたって「そんな大量のを読む時間ねーよ」ってなるし。

だからこそ「AI時代にクリエイターが生き残る方法」はとても重要になる。討論会をしましょう！

🍛 世界で一番美味しいインド料理はインドにはない

「お前な、世界で１番インド料理が美味い国ってどこか知ってんのか？イギリスだよ！インドにあんなに美味いインド料理は無いんだよ」

職場のインド人の同僚が言ったのは、私がイギリス旅行から帰ってその話をしていた時。

確かにバーミンガムやノッティンガムで食べたインド料理は格別だった。

「イギリスに移住したインド人たちが、進化させたんだ。インドには無くなってしまったインドの伝統がイギリスでは今でも保存されている。イギリスの方がインドの懐かしさを感じることだってある」と言っていた。

なるほど。

🏛️ 観光地でもないのに美しい街並みがある場所

ノッティンガムのThe Parkという高級住宅街を歩いた。ここは観光地ではなく、ただの住宅街。

外観が完璧に統一されていて、誰が見ても金持ちの家がずらりと並んでいる。ドイツの住宅街とはまた違う景観でかなり楽しかった。

建物にはそれぞれグレードが設定されている。改築する際も、そのグレードに合わせた建物しか建てられない。住民は自分の土地でも好き勝手には建てられない。

ベネチア、京都、パリでもこうした規制はある。しかしそれらは観光地で経済的理由がある。The Parkは違う。ただの住宅街なのに、住民が街の価値を維持する仕組みを取り入れた。

1870年代以降、多くの実業家たちがここに豪邸を建てた。建築家ハインがすべての家の設計を承認していた。つまり金持ちでも好き勝手に建てられない。The Parkという地区の美意識が徹底されていた。

王室の狩猟場→貴族の開発→金持ちの美意識→厳格な規制。この流れが150年続いて、今も美しい住宅街が保たれている。

この体験から考えさせられたのは、「美しさを維持する仕組みの価値」について。

クリエイターってどこまでを考えるのか、って重要だと思う。

自分の家だけ美しければ隣はボロボロでもいい、ではなく、街全体の視野を持つか、でクリエイターの力量が出るな、と。

なぜ日記みたいな記事を書くのか

日記みたいな記事もたまには書かないとニュースレターが成り立たないと思う。

基本的にニュースレターでは有益な情報を出すメディア。配信者はちゃんと調べた内容を出すべき。

私の例で言えば「英語圏で活躍するクリエイターのやり方をしっかり調べること」これは今後もやっていく。

私以外の発行者の方が配信される「みんなのニュースレター」のニュースレターもトップ層は全て丁寧に調べられた重厚な記事が配信されている。

しかしAI時代になって、しっかり調べることの価値は相対的に下がりつつある。「あんたが調べた内容を読むんじゃなくて、AIに聞くわ」となるケースだってあるから。

そこで「あいつが発行するニュースレターだから読む」ってのはとても重要だと思う。

ホリエモンが、西野亮廣氏が出すから読むってのは誰にでもあるはず。

調べたことだけ配信してたら「ジャバ・ザ・ハットリが出すから」の理由が薄くなるんじゃないか、と心配になってきた。なので日記風の記事をやってみた。

ただこんなのばかりでは意味がないので、次回はとあるAI企業と投資の関係についての記事を配信します。

それと日記を有料配信するのはさすがにキツい。

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