第58回目の今回はたったひとりで月に5000万円もの収益をあげているニュースレターを取り上げた。テーマはクリエイティブ活動。全てのニュースレター運営者にとって参考になる内容。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
「みんなのニュースレター」の配信者登録機能をリリースしてからぞくぞくと素晴らしい配信者にご登録いただいている。ありがとうございます!
ニュースレターを定期配信することがどれほどキツいか、は痛いほどに理解している。そんなニュースレター配信をこのプラットフォームから行うことをご決断いただけたことには、とにかく感謝しかない。
よーすけさんの記事、おすすめです。
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ニュースレターの役割に拡散機能はないので、そこは他で補う必要がある。この点はこれからニュースレターを開始する方に心にとどめていただきたい。
ニュースレターの役割はファンとのつながりを濃くすること。購読登録いただいた方のメールボックスにコンテンツを配信する。SEOや検索に頼らず確実にコンテンツが届くので、購読者とのつながりがとても濃くなる。ここは強い。とても強い。
しかし新規顧客の獲得には向いていない。なのでニュースレター運営にはX(旧:ツイッター)などの運営とセットになっていなければならない。
ニュースレター運営では配信日の2日もしくは1日前にXなどで記事の予告を投稿することは必須といえる。
もちろん私もやっていて、今回の記事の予告はこれ。ちょうど配信日の2日前にX投稿した。
月商5000万円をたったひとりで叩き出すニュースレター運営者が言う
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ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 @nodenodenode1
「これは誰でもマネができることなんだ」と。
活躍している成功者がよく言うことかもしれない
ー 努力すればできる
ー このノウハウを読めばできる…pic.twitter.com/qvmETo1ITt— ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 (@nodenodenode1) January 20, 2024
この予告でまーまーな数の購読者さんに登録いただけた。ありがとうございます!
予告の手順
配信日前の予約投稿のURLへアクセスするとタイトル、サブタイトルと以下の文言だけが見えるようになっている。
この記事は2024/1/21 22:00に公開されます
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これをやるのは新規購読者の獲得のため。Xへの予告の投稿はバツグンの効果を発揮する。これはMatt McGarry氏の解説しているやり方の受け売り。Matt McGarry氏のノウハウはこの記事で詳しく書いた。
ニュースレターのコンサルが公開するノウハウは有益情報の宝庫だった |
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新規購読者が獲得できる理由はそのタイミングこそが購読のメリットが最大化されているから、だ。
新規の購読者目線で考えて欲しい。なぜわざわざ購読しなければならないのか。購読のメリットはいい情報を読み逃さないため。購読しておけば必ずメールボックスにコンテンツがPUSH型で入ってくる。メールボックスに入ればいつでオフラインでも読むことができる。
次回に配信予定のコンテンツの一番いい部分だけをちょろっと出して予告する。「これを読めばスゴ腕の運営者の◯◯の秘密が分かりますよ。お楽しみに!」とか。しかしまだ全編は公開されていない。全編を読むには配信日にウェブサイトへ戻ってこなければならない。それは面倒だ。
「そんなことをしなくても購読を登録していただければ配信日にメールで受け取れますよ」と。これが言えるのは予告の時しかなく、この時こそが顧客メリットが高まるベストのタイミングなのだ。
予告のX投稿のポイント
予告をXに投稿すればその度に購読者は伸び続ける。実際、そういう地味なことをやり続けて私も購読者数を伸ばしてきた。
こうしたノウハウで感じるのはそのノウハウに裏付けされたロジックの大切さ。人は「Xに予告投稿しろ」と言われただけで納得することなんてできない。
なぜそれが必要なのか。顧客目線で見てそれは理にかなっているのか。そうしたロジックの筋が通ってなければ、どんなノウハウも意味が無くなってしまう。
そういう点で今回、分析対象にとりあげたDan Koe氏はロジカルな説明を極めている人のひとりといえる。
そしてそのDan Koe氏のXアカウントをチェックすれば分かる。彼も毎回必ずニュースレター配信予告の投稿をしている。必ずだ。地味なことだがスゴ腕の人達はそういう積み重ねをちゃんとやっている。
彼のやり方をぜひ参考にして欲しい。
今回とりあげたのはThe Koe Letter。著者は元デザイナーでKortexの創業者CEOのDan Koe氏。
Dan氏は自身のことをクリエイター向けのブランドアドバイザー、インフルエンサー、ソーシャルメディアブランドクリエイター、と紹介している。
Dan氏のニュースレターで真っ先に目につくのがその圧倒的な実績。彼はわずか3年半でたったひとりで年商3億8000万円を達成している。
この数字は本人の自己報告であり、デジタルコンテンツを展開する人達のこうした数字は常に懐疑的に見られている。それが本当かどうかはさておき、彼のコンテンツの量、質をじっくり眺めていると、それが まったくの嘘ではなさそうなことは容易に見てとれる。数億円の実績が実感できるほどにDan氏のコンテンツが優れているのだ。
Dan氏の顧客ターゲットは決まっている。クリエイターだ。全てのコンテンツはクリエイターに向けて書かれている。
ニュースレター記事のタイトルをいくつか抜粋して日本語にした。これで彼の展開するコンテンツのテーマをイメージしていただけると思う。
Dan氏のニュースレターは全て無料で購読できる。
そうなると「このテーマと内容でどうやってお金を手に入れているのだろう?」と今、思っているのではないだろうか。次の章で解説する。
Dan氏のデジタルコンテンツには様々な有料商品が展開されている。
ニュースレターを無料で購読している方たちの中で特に気に入っているコア層の読者が購入する仕組み。
The 2 hour writer
1日2時間の執筆時間で収益性のあるライターになるための講義。
値段は150ドル
Digital Economics
デジタルコンテンツクリエイター向けの収益化講義プログラム
値段は499ドルから8000ドル
Keyframe
値段は月に399ドルから4990ドル
この他にもかなり幅広く展開しているのがDan Koe氏の有料商材になる。全てはちょっと高価格帯に設定されているがDan氏のコンテンツを十分に気に入った人なら購入するのだろう。実際、ウェブサイトに掲載されている購入者数を見ても相当な数になっている。
Dan氏のデジタルコンテンツはほぼ全方向で様々なプラットフォームで展開されている。
この中でも特筆するべきなのはYouTubeチャネル。登録者数は約60万人で、それぞれの動画を観てもそのコンテンツがいかに充実しているかが分かる。
Dan氏が多くのコンテンツを量産できる秘密はネタの複数展開にある。
Dan氏がコンテンツ展開するチャネルを全て観ていくとその量に圧倒されてしまうほどだ。しかも彼はメッセージとして「あまりにも働きすぎるな。時間をかければいいってもんじゃない」と発信している。そんな彼が短時間でコンテンツを量産する仕組みを解説していた。それは「ひとつのネタの複数展開」だった。
Dan氏がまず最初にコンテンツを作るのはいつもニュースレターの記事から。それは長文で、論理だてて筋書き通りに説明することが出発点になるから。文章でしっかり説明できないコンテンツは他の何に展開しても役に立たない。逆に文章で誰もが納得できるほどに練られたコンテンツがあれば、他にいくらでも展開できる、という理論。
ニュースレター記事が完成すればその中のひとつのアイデアやひとつのチャプターを切り取って、X投稿やYouTube動画へと展開している。つまりひとつのニュースレター記事のネタをメディアをかえて、細切りにして展開しているのだ。
Dan氏の売り込み方はあまりにも自然でほとんど気が付かないぐらいだ。
これだけ多くのコンテンツと有料商材を保持していれば、どこでも「これを買ってください!」「あれも買って!」とやってそうに思うかもしれないが、彼はまったくそんなことをやってない。
以下の有料コンテンツではさらなる分析と、あるポッドキャストでDan氏に質問された「今からすべてをゼロにしても、もう一度成功できるって言い切れるか?」の彼の答えについて書いた。
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