第113回目の今回はイギリスの時々ネタを提供するニュースレターを取り上げた。
政治・時事ネタで成功するニュースレターが、なぜ旧来のメディアを完全に置き去りにしているのか。主流メディアが「反民主主義的」と批判する現象の裏に、その配信者は「忘れられた多数派」の声を見出している。
新時代のメディアの姿を示す革新的なモデルの誕生に感じた。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
イギリスのマンチェスターでこれを書いている。この旅行のためにイギリス事情を配信するニュースレターをかなり読み込んだ。
ということで今回のテーマはイギリス。
10人の音声配信者さんに集まっていただいてXのスペースで討論会を企画している。詳しくはこちらの記事へ(素晴らしいご意見がたくさんコメント欄に入ってる!)
10人の音声配信者による1時間の本気討論「みんなの討論会」はウケるのか? |
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テーマはキタノドロップさんとラグビーさんのご提案から「これからの情報発信は『テキスト』vs『音声』どっち?」にしようかな、と。
日時は3月27日の日本時間22時から(仮予定)。
この時間帯ってどうでしょうか?参加できそうですか?ぜひ上記の記事にコメントください。もしくはDiscordでも。
1ヶ月以上も先の日程にしたのは十分に時間をとって告知の機会を増やすため。これは10人に集まっていただいて、私も含めてそれぞれのチャネルでガンガン告知するのがポイントだから。
いろんなご意見と企画提案をお待ちしています!
先日Xに入れたこのトランプの投稿は600万ビューいった。やはりトランプはすごい。必ずバズる。
アメリカ大統領にまで登りつめた男
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ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 @nodenodenode1
ドナルド・トランプの
黄金のビジネスルール7つ
1. 「決定権のない奴と話をしても無駄」
つづく↓pic.twitter.com/HMPLZBKBY5— ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 (@nodenodenode1) February 12, 2025
ある意味では政治ネタって永遠にバズるネタなんちゃうか、と思う。ということで今回の分析レポートは政治ネタ。
Matt Goodwinのニュースレターはイギリスの政治分析と社会評論に特化したメディア。
イギリスに昔からいるエリート層に対して、内部からえぐり出すような批判と共に、時事ネタが配信される。
分析力と批判精神が評価され、イギリスの主要メディアでも頻繁に取り上げられている。
元々は英国の政治学者として活躍していたMatt Goodwin氏。大学教授として確かなアカデミックキャリアを持つ人物。
しかし2016年、彼の立ち位置は大きく変化していく。イギリスのEU離脱、トランプ大統領の誕生。これらの出来事から、彼は既存の政治エリートと距離を置く。
既存のエリート層が「民主主義の危機」と騒ぐ中、Goodwin氏は民意の正当性を主張。「忘れられた多数派」の声に耳を傾ける必要性を訴えた。
2024年に大学を去り、週3回のニュース番組を持ち、主流メディアとは一線を画した論評を展開している。SNSでの発信力も強く、Xのフォロワーは20万人を超える。
彼の信念は「民主主義において、権力と正当性の源泉は人々にある」という。
Goodwinはイギリスの移民問題について、メディアやエリート層が意図的に隠している現実があるとニュースレター記事で指摘していた。彼の分析から重要なポイントを整理した。
2021年から2024年の間に約400万件のビザを発行。その中で高度人材はわずか5%に過ぎない。残りの95%は低賃金・低スキル労働者とその家族。
同年に医療・介護分野に27万人に就労ビザを発行。しかし、その家族としてさらに37.7万人が入国。当初の労働者数を大きく上回る数の家族が呼び寄せられている。つまり移民にしめる高度人材比率は極めて少ない。
政府系シンクタンクの試算によれば、低スキル移民一人あたりの生涯コストは46.5万ポンド。2021年以降の移民増加によって、今後数十年で総額2340億ポンドの財政負担が発生する見込み。
最新の世論調査では70%のイギリス人が「移民数が多すぎる」と回答。しかしエリート層は「多様性は力だ」と主張し続け、具体的な政策転換を避けている。
テムズ水道の調査によれば、ロンドンの人口の12人に1人が不法滞在者という衝撃的な結果がある。
移民の問題をひとくくりにするのではなく、それぞれの事象に分けて考える必要性を感じた。
私も日本からヨーロッパに移り住んだ移民なので他人事には思えない。
Goodwin氏の記事でダボス会議に出たトランプ大統領についての考察が興味深かったので要約した。
2025年1月、ダボスの会議場。世界のエリートが集まる前で、トランプは彼らの世界観を真っ向から否定した。「男性と女性、2つの性別しかない」「グリーン・ニューディールは詐欺」。Goodwin氏はこれを「社会的リベラリズムへの決別宣言」と表現。
かつてはビジネスエリートとして君臨したトランプ。しかし今や、グローバリズムやリベラリズムと戦う反逆者として再起を遂げている。
変化は既に始まっている。マーク・ザッカーバーグはファクトチェックの撤廃を宣言。イーロン・マスクはDEI(多様性・公平性・包摂)政策への批判を強める。テック界の巨人たちが、一人また一人とトランプ路線に投降している。
アメリカの若い女性たちがMAGAキャップを着用する光景が日常になりつつある。反トランプを気取ることがダサい時代になった。政治的反乱は、若者の文化的トレンドへと進化している。
2024年。西洋文明は新しい時代への入り口に立っている。その扉を開けたのは、皮肉にも、エリートから反逆者となった大統領だった。私たちは今、価値観が大きく変わる革命の中で生きている。
ここまででザッとGoodwin氏のコンテンツの内容や打ち出す方向を把握いただけたと思う。
これ以降はなぜこのGoodwin氏のニュースレターが多くの有料会員をかかえるほどに人気があるのか、を独自分析した。
Goodwinのニュースレターには読者を「知的な反体制派」として扱う巧みな手法がある。
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無料コンテンツはここまでです。私はGoodwinのニュースレターを購読して今のイギリスの在り方をより深く考えることができました。おすすめです。
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