第48回目の今回はとあるデザイナーが発行するニュースレターを分析した。ポッドキャストで話を聴いて、ウェブサイトを分析すればするほど極めて論理的な戦略が読み取れてきた。きっとこれはあなたのビジネスにも応用できるだろう。
このニュースレターはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、そのコンテンツを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
このメールが配信された翌日にはバックナンバーの値段を現在の600円から20%あげて720円にする予定。月額600円の有料購読とバックナンバーの間である程度の価格差がないと意味がないと考えたから。
今月の最初にドっと先月のバックナンバーの購入が続いた。同じ600円だとこうしたバックナンバー購入の波が月初に来るように感じた。
ニュースレターでは購読によるユーザー体験を重視している。毎週メールで届く情報を楽しみ、学んでいただくこと。有料コンテンツの閲覧をご予定ならバックナンバーよりも購読の方がお得ですよ、とした方がいいと判断した。
とにかく明日にはバックナンバー価格を値上げします。購入予定の方は今のうちに買っておいてください。
この「1万ドル以上を稼ぐ個人サブスクメディアを徹底的に分析したらこうなった」の購読者数が5000人を突破した。
これを今、メールでお読みのあなたのおかげです!ありがとうございます。
上記の画面は今後「みんなのニュースレター」から配信する運営者が購読者数の推移を確認する画面。サブスタックから移行した場合でもサブスタック時代の推移も含めてグラフに表示される。
紹介プログラムを通してこのニュースレターをご紹介いただいた方はこちら。
くろますおさん
ボイシーといえばこの方、くろますおさん。”次”のトレンドを”今”学べるラジオ。アメリカから最新のテック情報やweb3にまつわる話が聴ける。いろんな方との対談もあって、面白くオススメです。
紹介プログラムを一旦停止します。紹介プログラムの重要性は認識しているのでいつかは復活させる。ただ紹介に注力するリソースがないので一旦停止。
これまで紹介いただいた方で有料購読につながった場合のクーポンはしっかりお送りします。
今回とりあげたのはVisualize Value(ヴィジュアライズ・バリュー)。ビジネスのコンセプトを洗練されたデザインに落とし込んだウェブサイト。
ごちゃごちゃとした説明を一切必要とせずにパッと一目見ただけで「あっそういうことね」と分からせることができる。
例えばこれ。
最初の1歩が一番大変だけど
The first step is the steepest.
![]()
VV @visualizevalue pic.twitter.com/EOK25AeYZU— VV (@visualizevalue) May 20, 2022
こんなビジネスのコンセプトを表したデザインがたくさんあって、それらがウケてとんでもないフォロワー数と収益を稼ぎ出している。今回はその分析。
* ) 以下の画像は全てVisualize Valueから参照
ヴィジュアライズ・バリューの作者はJack Butcher氏。ニューヨークでデザイナー兼アートダイレクターとして大手企業のブランディングに関わる仕事を10年間、従事する。
顧客企業ではなく自分独自のブランド構築の必要性を感じてヴィジュアライズ・バリューを創業。
Jack Butcher氏とヴィジュアライズ・バリューは当然ながら各種のSNSでも展開している。そのフォロワー数は圧倒的。
インスタグラム 53万人
https://www.instagram.com/visualizevalue/
X:旧ツイッター(ヴィジュアライズ・バリュー)37万人
https://twitter.com/visualizevalue
X:旧ツイッター(Jack Butcher)28万人
https://twitter.com/jackbutcher
合計すると約120万になる。
ニュースレターの購読者数は2万人以上
収益は実際に本人が公開しているスクリーンショットから。もう全てが圧倒的。
参照元
https://twitter.com/jackbutcher/status/1577785087751606272
ヴィジュアライズ・バリューのビジネスモデルはその他の多くの成功しているモデルとほぼ同じ仕組みになっている。まず最初の顧客はSNSでつかみ、そこから徐々につながりの濃い方へと導く。
有料教材にはさまざまな内容が網羅されている。SNSなどでヴィジュアライズ・バリューが打ち出すデザインとそのコンセプトが気に入った人なら買いたくなるだろう。
ザッとではあるがJack Butche氏とヴィジュアライズ・バリューの現在をまとめた。
以下にどうやってここまでの実績を積み上げてきたかと、なぜそんなにウケているのかの分析を書いた。
2020年にヴィジュアライズ・バリューを立ち上げたJack Butche氏が最初にやったのはSNSに毎日コンセプトデザインを投稿すること。顧客もフォロワー数もゼロの彼が先を見越して考えた戦略。それは毎日更新。
彼がポッドキャストで印象深いことを語っていた。
一般の人はあまり気が付いていないと思うんだ。世の中の多くのデザイナーがとてつもなく多くの時間をフォントの選定、色の選定に費やしている。それはものすごく時間がかかる。
そんなデザイナーが定期更新を自分に義務付けたとする。そしたら1日ごととかにデザインを出すことになる。その時に今までと同じフォントや色の選定作業が「成り立つのか?」を再考する。
これがすごく意味のあるクリエイティブプロセスになるんだ。
僕がやったのは今、見てもらってる通り色は黒もしくは白のみ。フォントは1種類。線の太さも常に同じ。使える形は丸と直線のみ。
こうしたパターンを決めておかないと毎日コンセプトデザインを投稿するなんてできない。フォントやら色を全部イチから決めるのは時間がかかり過ぎてしまうからね。
これはブランドに一貫性を持たせるとても重要なプロセス。どんな巨大ブランドでもただひとつの広告、ひとつのロゴ、ひとつのキャッチコピーで浸透する、なんてことはない。
すべての出力に一貫性を持たせて何度も何度も消費者に届けることでちょっとづつ認知されるのがブランド。個人がやる場合は余計にその一貫性を持たせていかないと。
この話はデザイナーはもちろん非デザイナーにも参考になる内容だった。投稿はSNSに限らず、ニュースレター、音声配信、なんでもそうだが定期配信のメリットは計り知れない。
そこでただ単に定期に配信するのではなく自分なりのパターンを作るようにしなければブランドとして認知してもらえない。わりと「定期にやれ!」「毎日配信しろ!」といったアドバイスはよくある。
そこに「パターンを持っておくこと」は忘れてはならない要素だと気付かされた。
Jack Butche氏の活動を端的に言い表しているコピー
Build Once, Sell Twice
(1回作って、2回売れ)
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