第22号目の今回はダンスに合わせてエクセルの使い方を説明するある女性の物語。「はぁ?なにそれ?」と思われた方はこれを見て欲しい。
「きっとこれには何かがある」と感じていただけた思う。とにかく普通じゃない。決してTikTokによくある若い女性がダンスしているだけの動画ではない。
実際この女性はたったひとりで年間に2億7千万円も稼いでいるのだから。
このニュースレターはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、そのコンテンツを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
現在この「【週間】1万ドル以上を稼ぐ個人サブスクメディアを徹底的に分析したらこうなった」の購読者数は3804名。ご購読いただいたみなさん、ありがとうございます!
その獲得経路を見るとほとんどの方がツイッター経由であることが分かる。
他のすごいニュースレターを運営している人達も「ツイッターがメインの集客ツール」と言っているし、結局はツイッターかな、と思っていた。
しかし今回、ツイッターだけではないことを示す事例があった。世の中の時流とメディアの特性に合わせて考えることで、集客ツールには他にも多くの可能性があることを示す事例。
今回とりあげたのはMiss Excel。表計算ソフトのエクセルの使い方を解説するオンライン講座。顧客獲得の流入経路はシンプルに以下の通り
まずTikTokでエクセルの使い方を1つに絞って短く解説。そこから無料のニュースレターに引き込む。最後は有料のオンライン講座がゴール。
著者はミス・エクセルことKat Nortonさん。
ニュースレターは毎回1つか2つのエクセルで使うテクニックを取り上げて、その解説をしている。
その内容やノリ、書き方はいかにもミス・エクセルにしかできないような味わいになている。一言で言えば、まるで友達が家にエクセルを教えに来ているような感じだ。
全部で17個のオンラインコースがある。値段は平均してだいたい200ドルぐらい。低価格のは44ドルから。高いのだと1000ドル近いのもある。
もうすぐAIコースとしてChatGPT、BingChat、Google Bardのコースも追加される予定。とにかくミス・エクセルのビジネスのキャッシュポイントはオンラインコースになっている。
ミス・エクセルの経歴は元コンサルタント。毎週、全米を飛行機で飛び回る忙しい日々を送っていた。ニューヨークの自宅でくつろぐことができるのは月に数日だけだった。
そこにコロナがはじまり、ほぼ自宅に居るようになってしまった。そこで何か自分にできることはないか、と考えるようになった。
やりたいことリストを作って何十個も本当に自分が得意なこと、やりたいことを書き出した。その中にはエクセルとダンスと書かれていたが、まだその2つは結びついていなかった。
友人が自宅に来たときにそのリストを見せた。友人が冗談っぽく「エクセルをダンスで教えるってのがよさそうねw」と言った。その時はそこまで深くは考えなかった。
しかし時はコロナでほぼ自宅で過ごす日々が続いている。なんかヒマだし、なにかがやりたい。ふと先日、友人が冗談っぽく言っていたエクセルとダンスの話を思い出した。やってみようかな、と。
なにげに踊ってダンスと一緒にエクセルの関数を解説した動画をTikTokに出してみた。「10代の女の子でもないのに私って何やってんだろ」と思ったが、せっかくだから試しにアップロードしてみた。
すると思いのほかバズった。面白いから3つほど別のビデオも撮ってアップロードするとそれもバズる。
しばらくするとあるIT企業から「君のエクセルの解説はとてもウケがいいから、そのままオンラインコースを作って欲しい。」と言われる。
やったこともないことだったが、急いで言われた期日までに最初のオンラインコースを作りあげる。その後はどんどんTikTokのビデオから有料のオンラインコースへつなげる戦略でコンテンツを発信していく。
最初の有料オンラインコースの開設から2ヶ月で当時の勤め先の月給を超える月次収入が入るようになる。そのタイミングで会社を辞めて、オンラインでエクセルを教えることを本業にする。
今でもミス・エクセルの事業は全て彼女たったひとりで行っている。
なんと言っても勝利の要因のひとつはエクセルとダンスという奇妙な組み合わせだろう。
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