第69回目は、とあるマンガとニュースレターを組み合わせた事例を取り上げた。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
ベルリンもだいぶ暖かくなって、みんな外に出て和んでいる姿をよく見るようになりました。
ずっと月額600円で運営してきたこの「1万ドル以上を稼ぐ個人ニュースレターを徹底的に分析したらこうなった」は2024年4月10日から980円に値上げする。
ご安心ください。今、有料購読いただいているあなたはずっと600円のまま。4月10日までに購入いただいた方も600円のまま。有料購読をお考えの方はぜひ期日までに購入してください。
これまで超低価格で提供していたのは「みんなのニュースレター」の管理者として収益の源泉をニュースレター配信ではなく、プラットフォーム管理に重きをおいていたため。
しかしここで提示する値段は相場として「みんなのニュースレター」の配信者さん達が参考にされる。つまり「こんだけ記事書いて600円ぽっちかい」と思われてしまっていた。これが配信者さんのご活動の障壁になっていた。
配信者さん達に活躍してもらうことこそが本来の目的。ということで値上げします。今回は980円だが段階的にもう少し値上げをしていく予定。
コンテンツの品質からして月額980円でも対価の何倍もの価値提供はできていると信じている。ここまで英語圏の情報発信を丹念に調べて誰でも実行可能なほどに体系化されたコンテンツって他には無いのだから。
みんなのニュースレターでも配信いただいているくろますおさんから興味深いVoicy音声とX投稿があった。ニュースレター経由での販売に関して。
【ニュースレターはクレーム対策にもなる】
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くろますお🇺🇸ニュースレター専門家 @kuromasuo
『クレームや返品に時間やメンタルを削られてる…』
今日はこんな方向けに、ニュースレターやろうぜ!っていう話をします。
先日、TikTok で働く中国人ビジネスマンから興味深いことを聞きました。…— くろますお🇺🇸ニュースレター専門家 (@kuromasuo) April 7, 2024
これは私にも大いに思い当たる。顧客とのつながりを重視したメディアであるニュースレターではモノが売れやすいし、売れ方が健全、売れた後のトラブルがほぼ無い。
これからのクリエイターにとって自分のコミュニティを持っておくことがとても重要になっている。コミュニティ活用はどんなメディアを使ってもいいが、その筆頭候補がニュースレターになるのは確実だろう。
今回のレポートで分析したニュースレターもそのことを物語っている。
今回とりあげたのはSmart Nonsense。日常のなにげない疑問や時事問題をマンガのニュースレターにして届けているメディア。
著者はHenryとDylanの2人。
彼らがメディアを立ち上げた経緯とその手法は誰にとっても参考に値する。Smart Nonsenseは立ち上げからたったの1ヶ月で1万人の購読者を獲得。さらに創刊から9ヶ月しか経っていないにも関わらず、現在の購読者数は5万人以上に達している。
これほどの急成長ニュースレターはなかなか無い。
Smart Nonsenseから毎日発刊されるコンテンツには知的好奇心が満たされる。
時には時事ネタであったり、科学ネタ、政治ネタも含まれる。数分で読める内容の中に「そうだったのか!」という気付きが含まれている。
例えばこれはゲームのテトリスが開発された経緯を解説した記事のひとこま。
とても親しみやすく、読みやすい。
他にも様々な分野の内容がマンガで手軽に読める。
きっとあなたもSmart Nonsenseの最初の1ページを見ると次から次に読みたくなるだろう。それぐらいにSmart Nonsenseは興味深い。
こうしてザっとタイトルを並べただけでも、バラバラなテーマのようだけどいかにもSmart Nonsenseっぽいノリやテーマ性を感じることができる。
Smart Nonsenseをじっくり読んで、創業者たちのインタビューを調べていくと彼らが意図的にバズる要素を入れていることが分かる。
ほとんどの購読者は「こんなのがあるのか。面白いね」で終わるだろう。しかし今これを読んでいるあなたはきっとクリエイターだと思う。クリエイターなら、「なぜこれがウケているのか」を知っておかなくてはならない。
ウケる理由はSmart Nonsenseの歴史がそのまま示している。
創業者のHenryとDylanが出会ったのは大学。その大学では誰もがウォールストリートで働くことを目指していた。
しかし2人だけはちょっと違う。何がもっと別のクールなことを目指していた。出会ってすぐに打ち解けた彼らは友達になる。大学を卒業しても金融マンにならず2人で何かをたくらむ。しかし何をするべきなのか、まったく分からない。そんな彼らが第一歩に選んだのが音声配信だった。
ポッドキャストのチャネルを開設し、何百万もの視聴者をかかえることを狙って起業家精神や時事問題について語り合う配信を開始した。
自信を持って打ち出した音声配信だったが、盛大にスベった。それでもスベった先に成功の種があった。
当時の彼らが音声配信をいくらやっても聴いてもらえたのは12人だけ。リスナーはHenryとDylanのオカンといとこだった、と言う。そんな日が続いて危機感を持った彼らが打った次の手がビデオ編集事業の立ち上げだった。
世の中の流行りはショート動画。しかし全ての人がビデオ編集の技術やアニメを作る技術を持っているわけではない。そこで彼らがビデオ制作を肩代わりすることにした。
それはCliptという名の会社になった。
ここでなぜ彼らはビデオ編集に目をつけたのか。
まず彼らの課題がネット上で認知を得ることだった。その認知を得るにはショート動画こそが最短手段。ビデオ編集を仕事にして請け負うことで、ショート動画バズの仕組みを徹底的に体得しよう、という考えだった。
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