第21号目の今回はツイッターとサブスクックの間であった問題について。おそらくこれはニュースレターの運営者はもちろん、読者の方も、これからニュースレターやってみようかな、と思っている人も誰もが対策を考えなければならない。「大きなIT会社がやってるケンカなんか知らねーし、巻き込まれたくないわ」って気持ちはよく分かる。だからこそ対策が必要になる。
このニュースレターはコンテンツのクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。
あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
今、サブスタックはTwitterに嫌われている。ツイッターの運営方針により、ツイートの中に「substack」というキーワードや、サブスタックのURLが入っていると極端に表示されにくくなる。
これは単に両社間の問題だけではなく、全ての個人クリエイターの活動を考える上で重要な出来事になっている。
コンテンツを創って配信するために私達がどのプラットフォームとどうやって付き合えばいいのか、はずっとついてまわる問題だからだ。
このケンカによる影響を以下に示す。
これはその事件が起こる前にツイートしたニュースレター記事公開の告知ツイート。あの頃はだいたい10kぐらいはインプレッションがあった。
しかし事件の後はこの通り。わずかに2kのみ…
理由はサブスタックのURLが入っているから。
切ないのがゼロではないこと。サブスタックCEOは全メディアを通じて「ツイッターは意図的にサブスタックだけをバンしている!これは不当だ!」って訴えた。
イーロン・マスクの反応は「まったく事実に異なることを言ってる。バンしてないし。アクセスあるし!」と。確かにその通りで、バンと表示数が少ないのとは似てるけど異なる。
サブスタックのリンクにはツイッターカードが表示されなくなっている。ツイッターカードとはこういうの。
リンク先の記事内容を分かりやすく伝えるための大きい画像を表示する機能。他のリンク先であれば表示されるが、サブスタックの場合は簡素な文字リンクのみ。
サブスタックからツイッターへのリンクについても同様。以前はこうした記事の中にもツイッターカードが表示されていたが、今はもう文字リンクのみ
このように
https://twitter.com/nodenodenode1/status/1632869333461286912
もうリンクをクリックしてみないと中身が分からない。
私がツイッターを引用する時にスクリーンショットを入れているのはこのため。表示されないから。
ツイッタースレッドと言って10から20ぐらいのツイートをつなげてブログのような濃い内容のを投稿する手法がある。これの最後はだいたい「ニュースレターやってます。ぜひご購読を」って書いてサブスタックのURLを貼っていた。これもインプレッションが下がる。
通常、それなりに考えたツイッタースレッドであればミリオン近くはインプレッションが稼げていたのが、もう今ではさっぱりだ。だからミリオンに達するまではサブスタックリンク無しでツイッタースレッドを作って、ミリオンを超えてからリンクを追加する、なんて手間なことをしている。
全体的にバカらしいので私はここ1週間ちょっとツイッタースレッドを作るのをやめてしまった。しばらく静観するつもり。
この原因はサブスタックがNotesというTwitterによく似た機能をリリースしたこと。
ツイッターは以前から、マストドンやBlueSkyなどのツイッターの競合と考えられるプラットフォームのURLは入れても表示されない処置がされていた。わざわざ競合に大切なユーザーのビューを流すことはない、という発想。
そして今回、サブスタックのNotesが競合として認定されてしまった。実際にNotesの見た目はすごくツイッターによく似ている。ほぼ見分けがつかないほど。
これがNotes
SubstackのCEOは「Notesは見慣れたソーシャルメディアのフィードのように見えるかもしれないが、重要な違いは目に見えない部分にある」と言ってる。
Notesは少し使った感覚では昔の古き良きツイッターのような雰囲気を持っている。使っている人のほとんどはサブスタックでニュースレターを発行している人。そうなるとおのずと投稿の質も高くなる。
それにこのNotesの運営はまったく広告収入に頼っていない。アルゴリズムを細工してユーザーを広告に引き入れようとすることがないのは精神衛生上にもいい。サブスタックの読者で無料プランで購読していた人達を有料購読にまで持っていくには強力なツールになりそうな気がする。
Notesの設計思想はかなりよくできている。
ただ1点「ツイッターに嫌われてしまったら、なんの意味もなくなる」ということ除けば。
ニュースレター運営者のほとんどが購読者獲得においてツイッターを活用している。
などが理由でニュースレターとの相性がバツグンにいい。サブスタックがどんなに高機能なNotesを出してきても、ツイッターが長年築き上げたソーシャルグラフには到底及ばない。
TikTokやインスタも巨大なSNSではあるが、ビデオや写真をメインのコンテンツにしている。ニュースレターという文字の情報発信に引き入れるにはあまり適していない。
どうあがいてもニュースレター運営者はこれからもツイッターをうまく活用するしか、残された道はない。
ほとんどの本格的なニュースレターを運営している人達は独自ドメインでやっている。私のようにサブスタックのサブドメインは使っていない。
独自ドメインだと、どうやらインプレッションはあまり下げられていないように見える
つまり
ツイッタースレッドがあって1番上のツイートにサブスタックのURLがあれば確実にインプレッションが下がる。それを次とか奥の方へURLを表示すればまだマシという説。
これはネット上で言っている人が居たのだが、その効果には懐疑的。なぜなら私自身が何度かやってみたけど、やっぱりインプレッションは少ないままだったから。
これは自分でやってみてもまーまー効果があるのを感じている。おそらく短縮URLから参照先がサブスタックであることを調べるロジックまでは入れていないような気がする。
短縮URLとはこういうの
しかしなんとなくだけどサブスタックの短縮URLを1番上のツイートに入れていると、インプレッションがやたら少ないような。
いいのはその短縮URLをスレッドにして2つ目以降に入れること。
英語のSubstackは確実にハジかれている。しかし日本語であればまだマシ。ただこれも時間の問題かもしれない。ツイッターにとって日本は主要市場のひとつだし、対策を入れてくるかもしれない。
コードに入れるロジックだって正規表現で「Substack」を入れていたところに「サブスタック」を入れることなんて一瞬で完成する。
ツイッターのインプレッション測定を自分でやってみて確かめる方法はかなり難しい。なぜならツイートってちょっとした書き方やタイミングによって大きな差が出てしまうから。
「ツイッターがサブスタックを嫌ってるおかげでまたインプレッションが下がってるよ」と言う前にひょっとして自分のツイートがただ単にウケてないだけ、ってのも疑う必要がある。どうやっても実際のところはツイッター内部のコードを全部解析するしか確実な方法はない。
ツイッターの表示アルゴリズムはオープンソースになっているが、当然ながらサブスタックを除外する部分は見えていない。
さらにこの表示アルゴリズムは常に改善と変更を繰り返している。ここに書いた対策もいつどんなタイミングで無効になるのかも分からない。
これは確実。プラットフォームをサブスタック以外のに変えてしまえば、この問題はスグに解決する。実際に私はそうするつもり。
ニュースレター運営者はただでさえコンテンツの作成というクソ面倒な仕事があるんだし、ツイッター対策なんて余計なことに神経使ってないで、確実で手っ取り早い方法を取るべきだと思う。
ニュースレター運営の最大のメリットはプラットフォーム依存から脱却して、主権をクリエイターの手に戻すこと。
このニュースレターはサブスタックで運営しているが、購読者さんのメールアドレスは私の手の中にある。つまりサブスタックのなにかが気に入らなくて、他へ移ったとしても、読者さんとのつながりはそのまま活用できる。
なぜなら私は全ての読者メールアドレスを持っていて、いつでも直接にコンテンツを読者の元へ届けることができるから。
もしこれがYouTubeであればどんなに登録者数を確保してもそれが有効なのはYouTubeというプラットフォームの中だけに限定される。他のプラットフォームに持ち出すことはできない。ツイッターでも同じ。ツイッターのフォロワー数は他のプラットフォームには移せない。
この「読者とのつながりをクリエイターが持つ」というニュースレターの発想がとても気に入っていた。そしてここに来てツイッターの件があって、やはり再認識した。
読者とのつながりをプラットフォームに握られてしまっている状態はとても危険で、いつなにが起こるか分からない。読者のメールアドレスはしっかり自分で持っておこう。
メールアドレスがエクスポートできないニュースレタープラットフォームもまだまだある。これをお読みの方にはそんなプラットフォームは絶対におすすめしない。
みなさんはどうお考えでしょうか?ぜひご意見をお聞かせください。
このニュースレターでは常時みなさんからのご意見とご質問を募集しています。ぜひください。
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ではまた次回にお会いしましょう。まだ未購読の方は次回のニュースレターで会うために購読が必要ですよ!