第64回目の今回はあるNikeのコマーシャルフィルムを取り上げた。「なんでNike?」「なんでコマーシャルフィルム?」と思われるかもしれないが、とにかく感動したし、クリエイターの方達の参考になると思った。
通常回は個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
この記事をウェブサイトからご覧になっている方はモバイルなら上のヘッダーに、デスクトップなら右のサイドバーにもくじが表示されているはず。
スクロールに合わせて目次のハイライトが移動したり、モバイルにもデスクトップにも記事を読むことのジャマにならないよう配置することにかなり気を使った。
ちょっと工数がかかってしまったがそれでも、もくじにこだわったのは理由がある。
もくじにこだわったのは、ニュースレターは読む側にも書く側にもコンテンツが重厚である、と思って欲しかったから。
軽い読み物にはもくじがない。もくじがあるのは重厚なのだけ。X(旧:ツイッター)の投稿にはもくじがない。書籍や学術論文にはもくじがある。もくじは全体を見渡す構成図であり、そのコンテンツの骨組みを表す。
正にそれはニュースレターに書いていただきたい、読んでいただきたいコンテンツだった。
このもくじを作ることにしたのはとうまろさんからご要望をいただいたから。
すごくいいご指摘だったので、要望を入れていただいた瞬間からさっそく作業に取り掛かった。
これを今お読みのあなたも「こんなのあったらいいのに」とお気づきの点があればいつでもお知らせください。待ってます!
Notion道を配信されているとうまろさんのニュースレター
P.A.R.Aメソッドはファイルシステムではなく、生産システムである |
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「You Can't Stop Us (あなたに私達を止めることはできない)」は2020年にNikeが打ち出した広告。
少し前の広告になるが、改めて観て心から感動した。なぜそこまで感動したのかをじっくり考えるうちに「これはコンテンツ作成において参考になる要素が詰まっているな」と感じた。
なので、今回はいつものニュースレター分析の代わりにこのコマーシャルフィルムを分析した。
まずはこちらのYouTubeで映像を確認して欲しい。
まだ映像を観たことがなくて、YouTubeリンクをクリックする時間も惜しい方向けにコマーシャルフィルムの構成を書いた。
「We're never alone.(わたしたちはひとりじゃない)」のナレーションからはじまる映像は常に右側と左側に分かれている。
まったく異なる2つの映像がなぜか動きが同期しているのでパッと観るとひとつの映像のように錯覚する。
ほとんどはNikeの契約する有名スポーツ選手が出ている。
しかし時には無名の人達がスポーツをしている姿も映し出される。
まったく異なるスポーツと異なるプレイヤーなのに同じ動きがあることを発見する。
最後に「You Can't Stop Us (あなたに私達を止めることはできない)」とNikeのロゴが出て終わる。
Nikeが巨大な広告予算をかけて訴えたフレーズだから、どこかで聞いたことがあるかもしれない。でも疑問が残る。
シンプルなフレーズであるが故にどこか抽象的でこれだけでは何を言っているのか分からない。
答えは映像にある。
この広告がリリースされた当時の2020年はCOVIDの影響があり、様々なスポーツイベントが休止を余儀なくされていた。
人が外に出ること、誰かとスポーツを観に行くこと、スポーツを楽しむこと、が極度に規制されタブー視されることもあった。COVIDはスポーツだけでなく人の生き方や考え方にも深い影を落とすことになった。
そんな時期に全世界に一大キャンペーンとして打ち出されたのが「You Can't Stop Us」だった。
ナレーションの内容を文字起こしすると、全ての文章が対立構造になっていることが分かる。
ひとつの文章の中に相反する意味の言葉が対になっている。文章を英語で読み上げられた時のリズムも対になっている。
以下の下線部の言葉に注目して読んで欲しい。
文字起こし
We're never alone. And that is our strength.
Because when we're doubted, we'll play as one.
私達は疑われたときほど、ひとつになってプレーする
When were held back, we'll go farther. And harder.
引き止められたら、より遠くへ
If we're not taken seriously, we'll prove them wrong.
相手にされなくても、それが間違いだと証明する。
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