第110回目の今回は最新のマーケティング手法を解説するニュースレターを取り上げた。
「なぜマイケル・ジョーダンは25億円の投資を3000億円にまで成長させたのか?」
「F1が世界で最も急成長するスポーツになった理由は?」
「MLBのルール変更が記録的な収益をもたらした舞台裏とは?」
そんなスポーツビジネスの裏舞台を解説するニュースレターが超人気。その秘密を分析した。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
南イタリアのレッジョ・カラブリアに来た。寒い冬空のベルリンから来ると暖かくて、青い空と海が「なんじゃこりゃー!」となる。
トランプ大統領は就任初日からゴリゴリに活動していて、その旋風はXでも起こっているみたい。
ニュース記事をまとめてXスレッドにしただけでも200万ビューになった。さすがトランプ、すごい。
ドナルド・トランプが就任演説で衝撃宣言
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ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 @nodenodenode1
「アメリカは領土を拡大する」
世界が凍りつく1日が誰も見たことのない
就任式と共にはじまった...
つづく↓pic.twitter.com/oJD7PVRhBk— ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 (@nodenodenode1) January 21, 2025
今回のテーマはスポーツビジネスについて。
Huddle Upは、スポーツビジネスの舞台裏を徹底的に解剖するニュースレター。
読者数は12万人を超え、毎週配信される分析レポートはプロスポーツのエグゼクティブから投資家まで幅広い層から支持を集めている。
その分析内容は、大谷翔平の7億ドル契約がドジャースにもたらす経済効果から、テニス界で唯一のビリオネアとなったロジャー・フェデラーのビジネス戦略まで。単なるスポーツニュースではなく、ビジネスの本質に切り込む深い洞察で、読者を魅了し続けている。
なぜこのニュースレターがこれほどまでの影響力を持つのかを徹底分析した。
JPモルガンのアナリストとして活躍していたJoe Pompliano氏は、2020年7月にスポーツビジネスを解説するニュースレター「Huddle Up」を立ち上げた。
創刊からわずか10ヶ月で購読者数4万人、ツイッター(現:X)フォロワー数20万人を達成。そこからさらに成長させ、現在の購読者数は12万人以上。
Pompliano氏はもともとスポーツエージェントを目指していた。その後、金融業界に転身した。しかしお金よりも情熱を優先し、スポーツ業界への復帰を決意。
「ファンと相互関係を築くクリエイターがメディアの未来になる」。その確信のもと、スポーツとビジネスの両方に精通した独自の視点で、読者を魅了し続けている。
Pompliano氏はニュースレター、ポッドキャスト、YouTube、Xと多チャンネルにメディア展開し、いまや年間20億以上のインプレッションを生み出す巨大メディアに成長している。
Huddle Upの本当に面白いスポーツビジネス分析のほとんどは有料コンテンツになっている。
なので真の意味でこのニュースレターの面白さを手にいれるには課金するしかないようにも思う。特にやっかいなのがこうした記事でHuddle Upの紹介をする時。有料コンテンツ内容をたとえ日本語に翻訳したとしても公開してしまうのはルール違反になる。
以下はあくまで無料で公開されている部分に絞った紹介にとどめた。
ここまで無料公開部分を絞ってしまうと普通のニュースレターはほぼ失敗する。ある意味で異端なHuddle Upの課金の仕組みは以下の章で分析した。
Huddle Upの記事にF1ロジスティックスについての記事が興味深かったので要約した。
F1レースでは年間24レース、21カ国、1500トンの機材を輸送する世界最大規模のオペレーションがある。そんなことを可能にしているのは18ヶ月前から始まる緻密な準備があった。
一般企業なら破綻しそうな規模のオペレーションを、なぜF1は可能にしているのか。その答えは「リープフロッグ方式」と呼ばれる革新的な輸送システムにある。5セットの輸送キットを世界中のサーキットに分散配置し、次のレース地へと順次移動させていく。バーレーンのキットはサウジ、シンガポール、ブラジルへ。このシステムにより、航空輸送コストを最小限に抑えながら、タイトなスケジュールをこなせる。
重要なのは、全チームの公平性を確保する仕組み。例えば、バックツーバックレースでは、すべてのチームの機材が到着するまで誰も作業を開始できない。これにより、資金力の差が競争の公平性を損なうことを防いでいる。
F1のケースが示唆するのは、グローバル展開の3つのポイント。
ついついレースにばかり目がいきがちだが「裏舞台ではこんなことがあるのか!」と参考になった。
HuddleUpに掲載されていた、大谷翔平選手の経済効果についての要約。
大谷翔平のドジャース入りは、年俸7億ドルという史上最高額で話題を呼んだ。しかし実際の経済効果は契約金を大きく上回る5億9400万ドルに達している。
観客動員は前年比10万人増の394万人を記録。マーチャンダイズ販売でもMLB全体の20%を占め、スタジアムショップでの直接販売分は球団の収入となる。
さらに日本企業からのスポンサー収入。全日本空輸、東洋タイヤ、ヤクルトなど12社が新規契約。ドジャースの広告枠は即完売し、他球場の広告枠まで日本企業が購入する事態となった。これにより、ドジャースは米プロスポーツ史上最高の広告収入を達成。
観光面でも効果は絶大で、主要旅行会社は1試合あたり200人の日本人観光客をドジャース観戦ツアーに送客。LAの観光局によると、日本人観光客の8-9割がドジャースタジアムを訪れている。
このように大谷効果は単なる話題性を超え、具体的な数字として表れている。スポーツビジネスにおける真のスーパースターの価値を示す好例と言える。
実は大谷の価値は単なる観客動員数ではない。彼の存在が生み出す「三方良し」の経済圏こそが真の価値だった。
HuddleUpの有料コンテンツではさらに詳しくこうしたビジネスを成り立たせる仕組みについて解説されている。
ここ以降はなぜこのHuddleUpが人気を獲得できているのか、について分析した。
Huddle Upでは表面的な数字だけでなく、その背後にある意思決定プロセスまで掘り下げるアプローチを行っている。これが他のメディアとは一線を画している。
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無料コンテンツはここまでです。スポーツ好きな方ならぜひHuddle Upの購読をおすすめします。ニュースレター運営においても、きっといいヒントが見つかるはず。
以下の有料コンテンツでは詳しく人気の秘密を分析した。
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