ハリウッドスター、ドウェイン・"ザ・ロック"・ジョンソンが3.9億人のフォロワーに向けて絶賛したニュースレターがある。運営するのはたった一人の女性ジャーナリスト。

彼女は年額購読料を100ドルから50ドルに価格を下げるというネットコンテンツ市場で言われる「自殺行為」を行なった。ところが結果は収益が大幅に増加し年間数十万ドルを稼ぎ出すまでに。

この謎の答えは、一人のブルガリア移民女性の独特な戦略にあった...

👫 もくじ

1. 写真日記：アイルランドのパブ
2. いいニュースレターを書くためには
3. 世界的スターが絶賛した、ある女性ジャーナリストの逆転劇
4. 言葉を持たない少女が見つけた「観察」という武器
5. 世界的スターが認めた分析の深さ
6. 3年間の沈黙が生んだ「信頼」という最強の資産
7. パンデミックという嵐の中での船出
8. キュレーターからクリエイターへの大転換
9. 無料から有料への完璧な階層設計
10. X（旧：Twitter）が生み出す成長の好循環
11. 逆説の価格戦略と多角的収益構造
12. すべてのメールに返信する「神聖な誓い」
13. 個人メディアが切り拓く新しい時代

🥃 写真日記：アイルランドのパブ

🤩 いいニュースレターを書くためには

いいニュースレターを書く方法の第一歩はたくさんの優れたニュースレターを読むこと。

優れたニュースレター、圧倒的に人気のあるニュースレター、すごい収益性のあるニュースレターには必ず何かのヒントがある。

おそらく今回取り上げたニュースレターはこの「みんなのニュースレター」で配信いただいている方達にとってもかなり参考になると思う。それは毎回、ある特定の人物のプロフィールを徹底的に調べて分析した記事が配信されている。

似たようなスタイルで配信されている方にとって、このニュースレターは数々の成功へのヒントが隠されているだろう。

では、どうぞー

🔥 世界的スターが絶賛した、ある女性ジャーナリストの逆転劇

ハリウッドスター、ドウェイン・"ザ・ロック"・ジョンソンが3.9億人のフォロワーに向けて異例の投稿をした。

「これまで読んだ中で、最も自分を理解してくれた記事だ」

世界的なアクションスターが絶賛したのは、大手メディアの特集記事ではなかった。たった一人で運営するニュースレター「The Profile」の記事だった。

2020年、世界がパンデミックの恐怖に包まれる中、Fortune誌の安定したキャリアを捨てて独立した女性がいる。ポリーナ・マリノバ・ポンピリアーノ。彼女が築き上げたニュースレターは、今やメディア業界の常識を覆す存在となっている。

なぜ個人のニュースレターが、巨大メディアを超える影響力を持つようになったのか？

その答えを探る旅は、東欧の小さな国から始まる。

🌍 言葉を持たない少女が見つけた「観察」という武器

ブルガリアから言葉も話せずにアメリカに移住してきた幼い少女。それがポリーナ・ポンピリアーノの原点だった。

言葉が通じない環境で生き抜くため、彼女は人々の細かな仕草、表情、非言語的なサインから相手の意図を読み取る能力を必然的に身につけた。この生存のために磨かれたスキルが、後に彼女のジャーナリズムにおける最大の強み「些細なディテールへの執着」へと昇華される。

「他の記者が見逃す小さな瞬間にこそ、その人の本質が現れる」

この哲学は彼女の分析手法の核となった。年間180万語（本25冊相当）という膨大な量の文章を読み込み、そこから「読者が本当に学べる情報」だけを抽出する。表面的な成功談ではなく、人物の本質を捉える分析が可能になったのは、この幼少期の体験があったから。

後にFortune誌で1,300本以上の記事を執筆し、メリンダ・ゲイツやスティーブ・ケースといった世界的な起業家へのインタビューを手がけることになる彼女だが、その観察眼の原点は、言葉を持たない移民の少女時代にあった。

🎯 世界的スターが認めた分析の深さ

「The Profile」が配信する記事の特徴は、その構造的な深さにある。ドウェイン・"ザ・ロック"・ジョンソンを取り上げた「Profile Dossier」を例に見てみよう。

第1部：転換点の詳細分析

「1999年、WWEでの年収はわずか4万ドル。しかし彼は『プロレスラーが映画で成功するはずがない』という業界の常識に真っ向から挑戦した」 なぜ彼だけが不可能を可能にできたのか、その秘密を解き明かす。

第2部：成功を支える日常習慣

「午前4時、世界がまだ眠る中、ジョンソンは『アイアン・パラダイス』と呼ぶ自宅ジムで2時間のトレーニングを開始する」 単なる肉体管理ではなく、精神的規律の基盤となる習慣を詳述。さらに「SNSフォロワー3.9億人との対話を『デジタル時代の握手』と捉え、毎日2時間を投資する」戦略も明かされる。

第3部：読者への実践的応用

「業界の常識を疑う3つの質問」「朝のルーティンを構築する5ステップ」など、成功法則を読者自身のキャリアに落とし込む具体的フレームワークを提供。

この徹底的な構造化と実用性が、ザ・ロック本人に「最も自分を理解してくれた記事」と言わしめ、彼が自ら3.9億人のフォロワーに向けて拡散する現象を生み出した。

とにかく「The Profile」ではある人物の経歴をどこよりも深く分析した記事を配信している。いってみればシンプル。ただそれこそが読者の心を掴む源泉。結局ニュースレターでは優れたコンテンツが全てを決める。

引用元：The Profile Dossier: Dwayne 'The Rock' Johnson, the Most Likable Person In the World

	Dwayne Johnson
	@TheRock

Looking forward to the read. Hopefully, you redacted that part about my weird love of peanut butter 🤦🏽‍♂️

— Dwayne Johnson (@TheRock) December 22, 2020

⏰ 3年間の沈黙が生んだ「信頼」という最強の資産

2017年2月、ポンピリアーノ氏は友人たちのために始めた小さなプロジェクトを「The Profile」と名付けた。当時のメディア業界に蔓延するクリックベイト記事への不満が原動力だった。

そして彼女は驚くべき決断をする。2020年初頭まで、丸3年間、一切の収益化をしないという選択。

この間、彼女は一度も週刊配信を欠かさなかった。毎週日曜日の朝、質の高いキュレーション記事を無料で提供し続けた。一般的なスタートアップが早期収益化を急ぐ中、彼女は全く逆の道を選んだ。

この「戦略的忍耐」が後に驚異的な成果をもたらす。最初の5,000人の購読者獲得に2年を要したが、次の5,000人はわずか90日で到達した。複利効果が明確に現れた瞬間だった。

「もし最初から有料化していたら、決して同じ結果は得られなかった。まず読者との間に揺るぎない信頼関係を築く必要があった」

3年間の無料期間は、単なる準備期間ではなかった。それはサブスクリプションビジネスの2つの最重要資産「信頼」と「習慣」を構築するための、長期的かつ意図的な投資だった。

これは実は私にも思い当たる。このニュースレターは最初はサブスタックで運営していた。そのサブスタックとStripeの接続に問題があって、長期に渡って課金ができなかった。それでも私は無料でも毎週、高品質な記事を目指して配信を続けた。やろうと計画してもできなかった課金だったが、その無料で配信し続ける期間に読者との間に十分な信頼を築くことになった。なので「みんなのニュースレター」に移して以降は有料化してもスグに十分な有料購読者数を確保することができた。

結局ニュースレターも全てのビジネスと同じ。顧客からの信頼が全ての基盤になっている。

無料コンテンツはここまでです。

以下の有料コンテンツではThe Profileの運営方法とその成功要因を詳しく解説しました。

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有料コンテンツの内容

• パンデミックという嵐の中での船出
• キュレーターからクリエイターへの大転換
• 無料から有料への完璧な階層設計
• X（旧：Twitter）が生み出す成長の好循環
• 逆説の価格戦略と多角的収益構造
• すべてのメールに返信する「神聖な誓い」
• 個人メディアが切り拓く新しい時代