第53回目の今回はゲームをテーマにしたニュースレターを取り上げた。あなたがもしゲームに興味が無かったとしても、ニュースレターのコンセプト設計においてとても参考になるはず。
このニュースレターはクリエイター、課金モデルを成り立たせたい人に向けて書いている。
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートする。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
ニュースレターにはずっとウケる仕組みがあって、その重要性は旅行中とか療養中にことさらに感じることになる。
今、バルセロナに来ている。観光都市のバルセロナは楽しくて、ベルリンの家からもそんなに遠くないし、何度か来ている。こうして旅行をしたり、時には風邪で寝込んだりしている時にも、みんなのニュースレターから購入通知が届く。どなたかに有料購読やバックナンバーをお申し込みいただいたから。特に旅行中や療養中はこのウケる仕組みのありがたみを実感する。「旅行してても売れるのか」と。
ウケる仕組みはニュースレターの特性として定期的に新しいコンテンツが配信されることとがあるからだろう。こうして収益が入り続けるにはニュースレターというレールがあってそこに乗っかることができるかどうかにかかっている。
定期配信を運営者がどう捉えるかでその後の収益性やニュースレターの人気が変わってくる。
「そんなこと言ってもお前は旅行中でもこうしてニュースレター書いてるじゃねーか」と思われた方へ。はいその通り。ニュースレター配信は休めない。こうしてずっと定期配信しなければならない宿命がニュースレターを躍動させている。
もしこれがいつ更新してもいいブログだったら、怠け者の私は絶対に更新してなかっただろう。ニュースレターだからやっている。だからこそ定期的にウケる仕組みができている。
つまりイヤでもなんでもニュースレターというレールに乗っかってしまえばウケる仕組み、儲かる仕組みが手に入る。
旅行中はどうするの?って。そんなモンは旅行の予定の前の週に2つ書いて予約投稿しておけばいいだけだろう。ニュースレターに参入するからにはそれぐらいの覚悟は必要。それでもやればやっただけのメリットはもたらしてくれる。
この儲かるレールに乗っかるにはコンセプト選びが重要になってくる。
「みんなのニュースレター」の配信者の募集機能がほぼほぼ完成している。もう年内には機能を公開できるだろう。もしあなたが「みんなのニュースレター」から配信することになったら、とても嬉しい。そしてとにかくあなたに儲かって欲しい。と言うか、儲からないプラットフォームからは配信者達が去ってしまう。
なのでニュースレターのコンセプト選びの重要性を訴えたい。コンセプトやテーマ選びが悪いと、どんなに定期配信をガンバってもきっと儲からない。
そういうコンセプトを決める上で今回の分析記事はとても参考になる。
分析記事の前にひとつお願いがあります。
もしサブスタックでニュースレターを配信されている方がいましたらエクスポートしたzipファイルをこのメールの返信で送っていただけますでしょうか?
「みんなのニュースレター」のインポート機能のテストに使わせてください。外部に公開したりすることはございません。サーバーに接続しない環境でのテストにだけ使います。テストの終了と共にデータは破棄いたします。
ファイルを送ったからといって必ずしもみんなのニュースレターでの配信を強要することもございません。
今回とりあげたのはThe GameDiscoverCo。購読者は2万人以上。テーマはゲーム開発。主にPCゲーム、コンソールゲームのニュースレター。
著者はゲーム業界歴20年以上のキャリアを持つSimon Carlessさん。ゲーム開発者のカンファレンスやイベントを主導してきた人。
The GameDiscoverCoの購読者ターゲットはゲーム開発者。ゲームをプレイするゲーマーとは異なる。なぜか?
ゲーマーはゲームに課金する人達であって、文字情報を元にしたニュースレターの濃い情報に課金する人達とは少し属性が異なる。ゲーム産業事態は巨大で巨額の富を今日も生み出し続けている。しかしニュースレターは別。ゲーム系ニュースレターは実はそこまで儲からない、という通説がある。
このThe GameDiscoverCoはゲーマーをターゲットにはしていない。購読者ターゲットはゲーム開発者。
ゲーム開発者になると求める情報の質が深く、お金を払ってでも欲しい情報がたくさんある。The GameDiscoverCoの成功は購読者ターゲットをゲーマーではなく、ゲーム開発者にしたことが大きい。
The GameDiscoverCoのテーマはテーマはいいゲームを開発してビジネスを構築する方法になる。
ゲーム産業の全世界市場は音楽と映画を足したよりもさらに大きい。もう娯楽産業のトップの中のトップと言ってもいいぐらいにお金が揺れ動く超巨大産業だ。
ゲーム産業には世界的な大手のゲーム会社はもちろん、スタートアップや個人で参入する人までいる。The GameDiscoverCoでは彼らに世界のゲーム市場の動向や、マーケティング戦略、今のトレンドなどを解説している。いくつかThe GameDiscoverCoのタイトルを日本語にして抜粋した。
どの記事もゲーマーというよりゲーム開発者が深く興味を持ちそうな内容になっている。
The GameDiscoverCoの基本的なビジネスモデルは有料購読と有料購読者のコミュニティ。
ほとんどの記事は冒頭が無料で有料の壁がある。壁の向こうには開発者が参考になりそうなデータが網羅されている。それは具体的な数字やチャートが入ったデータ。本気でゲームを売りたい人にとっては有料にするメリットがかなりある。
値段は1ヶ月に18ドル。いろいろ調べたが著者のCarless氏がハッキリと収益額を明言している情報は無かった。それでもThe GameDiscoverCoは十分に収益が成り立っていることは容易に想像できる。
先日(2023年12月3日)世界最大のゲームタイトルのひとつ、フォートナイトがVR上でビッグバンイベントを開催した。エミネムも登場して、世界同時アクセス数が史上最多を記録した。その件についてThe GameDiscoverCoがまとめていた分析記事がとても興味深い。
まずデータで当日のアクセス数やCCU(同時接続ユーザー数)などを紹介。私も普段はソフトウェアエンジニアとしてウェブサイトのトラフィックなどを監視したりしているが、もうフォートナイトのレベルになると同時接続ユーザー数の桁が違う。どうやってこんな巨大トラフィックをサーバーでさばくのかと思ってしまう。
以下にあるのが当日のトラフィックデータ。
ここまでだったらいろんなゲーム情報メディアが発信している情報と同じ。The GameDiscoverCoの記事が面白いのはこの先の分析。イベントを楽しみにしていたゲーマー達がフォートナイトのイベントの待機待ちリストに入れられてしまって、いつまで待ってもVRイベントの中に入れなかった。すると彼らはどうするか?
以下にThe GameDiscoverCoの記事を解説しつつ、そのコンセプト設定がなぜウケるのか、をニュースレター運営者目線で分析しました。
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