第７３回目は元金融マンが発行する超人気のニュースレターを取り上げた。これはその著者がポッドキャストでリスナーからの悩みの相談を受けた時の話。相談は「なかなかニュースレターを書くことができない」だった。

相談ありがとう。きっと君は「書くこと」ができないんじゃない。書く前に「考えること」で止まっているんだよ。一旦「書くこと」じゃなくて「考えること」にフォーカスしてみたらどうかな。

最後の章にこの続きを書いた。

個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。

いつもここのジムでの筋トレやってます。とは言っても周りのドイツ人のにーちゃんのような筋肉ムキムキは目指していない。目的は健康！

今回、分析したニュースレターは肉体的にも精神的にも、健康を重視しているニュースレターだった。

【他人のニュースレターを勝手に分析】元金融マンが発行するニュースレターがウケている理由

。テーマは生産性を高めるためのライフハック、健康法、生産性の向上、金融知識など。

著者はSahil Bloom氏。Xでかなり活躍している人なのでこのアイコンに見覚えのある方は多いかも。

Sahil氏が情報発信をする前はプライベート・エクイティ・ファンドで未上場企業への投資を専門にしていた。

スタンフォード大学で野球選手をしていた彼は次のキャリアを金融の分野にねらいを定める。ファンド会社のバイスプレジデントにまで上り詰める。そこで彼は毎週、全米の各地に飛び回り、とても忙しい人生を送っていた。当然、収入も破格によかった。しかし燃え尽きてしまった。

「私は一体なにをしているんだろう？お金はあるけど何が欲しくてこんなに働いているのか？」となってしまった。

考えなおした後に出てきたのがニュースレターをはじめとする情報発信とそれを支持してくれる人たちとのコミュニティだった。

Sahil氏の情報発信者としての実績はプライベート・エクイティ・ファンド時代のよりもはるかに凌駕している。

X（旧：ツイッター）のフォロワー数は１００万人。たまーに見かけるM（ミリオン）の文字が輝いてる。

ニュースレターの購読者数は全て合計すると７０万以上。

他にもコミュニティ運営、書籍販売、ポッドキャスト、YouTubeと全方向に活躍している。彼自身のファンド会社もあって投資活動も行っている。

もう言うまでもなく圧倒的に活躍している。

🤠 なにかの分野で活躍してたからと言って

情報発信での成功はなにか別の分野での実績をそのまま転用することができない方が多い。特にSahil氏の成功は「金融の分野で成功したから」なんて考えるのはあまりにも短絡的すぎる。

元すごい起業家とか元すごい誰かが情報発信においてもずっと活躍しているとは限らない。最初はちょっと注目を集めるがしばらく経つと消えているケースが多い。

そんな中でSahil氏の実績は圧倒的。調べていくと彼なりに金融の世界で得たやり方をうまく情報発信にも応用し、かつ情報発信に必要なコアな部分をしっかり掴んでいることが分かってきた。

これ以降でなぜ彼がこれほどまでに人気を獲得し続けているのかを分析した。

The Curiosity ChronicleなどでSahil氏が発信する情報のテーマは普遍的だ。

生産性の向上、ライフハック、健康法について。もうどれをとってもどこかで聞いたことがある内容になっている。最初はSahil氏の専門分野であった金融知識について書いていた。しかしある時にもっと自分に正直にならなければならないことに気がついたという。

つまりその時にSahil氏は半ば金融の分野から引退しようとしていて、そこまでの情熱が持てなかった。代わりに興味があったのは、健康や人生の目的についてだった。ならば素直にその分野のことを書くべきだろう、と。

よくあるテーマで特徴がないようにも思えるが、Sahil氏にとって本当に興味があって探求したいことがそれだった。

🔫 ツイッタースレッドの発案者

Sahil氏がフォロワー数がゼロだった２０２０年の５月から現在の１００万人フォロワーに達するまでの最初の契機になったのはツイッタースレッドだった。

彼は様々な場で「ツイッタースレッドを発案した人」として紹介されている。ツイッタースレッドとは現在のXで１４０文字しか入力できない投稿にいくつも返信を重ねることでスレッド形式の長文を投稿する手法。

２０２０年当時はほとんど誰も本格的にそんなことをする人が居なかった。ブログの長文コンテンツをもっとツイッター上でも拡散したい、と考えたSahil氏が試験的に導入したのがはじまり、と言う。

あっと言う間に人気を獲得して１年で１２万フォロワーにまで増えた。

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