第109回目の今回は最新のマーケティング手法を解説するニュースレターを取り上げた。
マーケティングをテーマにした情報発信は最も過酷な弱肉強食の世界。「マーケティングを教えます」と謳いながら、自身の集客すら満足にできないようでは誰も見ない。内容以前に自らが最高のマーケティング実践者である必要に迫られる。
そんな厳しい世界で驚くほど奇妙に勝ち抜けるニュースレターがあった。その手法とは…
個人でニュースレターの運営に成功している例を毎回ひとつとりあげ、それを徹底的に調べてビジネスモデルの仕組みから、なぜそんなにウケているのか、を独自分析してレポートしている。あなたがクリエイターならとても参考になるはず。
ほぼ毎日Xに投稿している。しかしもう今のXは何が当たるのかまったく分からん。これとかなんで150万ビューもいったのか謎でしかない。
なのでごちゃごちゃ考えるよりもさっさと投稿した方がいい、とだけ思ってやっている。
イーロン・マスクの警告
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ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 @nodenodenode1
「2025年、世界は想像を超える危機に直面する」
医療システムから信号機まで、全てが止まる可能性...⚡️
つづく↓pic.twitter.com/kVdNnev8oB— ジャバ・ザ・ハットリ🇩🇪←🇸🇬←🇯🇵 (@nodenodenode1) January 15, 2025
とは言いつつ、ニュースレターへの集客でXはかなり強力なツール。欠かせない。
ということで今回の分析テーマはマーケティングについて。
シリコンバレーを代表する企業のマーケターたちが毎週金曜日を心待ちにしているニュースレターがある。それは「MarketingIdeas」。
毎週、届くのは、「世界で最も効果的なマーケティングアイデア」。わずか1年ちょっとで28,000人以上の購読者を獲得し、購読者のほとんどがテクノロジー業界のマーケティングリーダーたち。
一般的なマーケティングニュースレターと一線を画すのは実践的な価値があること。理論や成功事例の紹介ではなく、翌週から即座に実践できる具体的なマーケティング戦術が毎回提供されている。
例えば:
わずか1年で業界最高峰のメディアへと成長した理由を、以降の章で詳しく紹介した。
世界最大のサイバーセキュリティユニコーン企業Wizで、Head of Growthとして活躍するTom Orbach氏。
彼の名を一躍有名にしたのはLinkedInを揶揄するプロダクトだった。「バズるポスト生成機」LinkedInの投稿を面白おかしくパロディ化するこのツールは、わずか1週間で200万人のユーザーを獲得。そのバイラルぶりが評価され、最終的にはLinkedInマーケティングツールのTaplioに買収された。
彼は「誰もが密かに感じているが、誰も声に出さない」というインサイトを形にすることで、複数のヒットを生み出してきた。シリコンバレーで最も注目されるマーケターの一人。
Reichman大学でマーケティングを教える傍ら、型破りなマーケティングを追求し続ける。それは単なる奇抜さを求めるものではない。心理学と行動経済学を組み合わせたアプローチ。
このMarketingIdeasも、彼の「実験場」の一つ。ニュースレターがマーケティング手法の実践の場になっている。
MarketingIdeasにあった記事「Mini tools are 10x more powerful than free trials」が誰にとっても参考になりそうな記事だったので要約した。
スタートアップの世界で新たな革新的なマーケティング戦略「ミニツール」がある。
ミニツールは製品の機能の一部を切り出し、それ自体で価値のある無料ツールとして提供しバイラルにもっていく手法。
例えばECショッププラットフォームのShopifyが打ち出したミニツール「ビジネス名ジェネレーター」。これは起業を考えている人々が最も苦労する最初の一歩「事業名をどうするか?」を支援する無料のツール。
AIを活用した創造的な名前生成で、単なるランダムネーム生成以上の知的な提案をしてくれる。
事業名を生成した後、ユーザーに次のステップを提案し、Shopifyのウェブサイト構築への自然な誘導が可能になっている。
ツールの面白さが話題を呼びSNS上でも拡散され、Shopifyへ多くのターゲット顧客が導かれることになった。
記事内では他のミニツールの事例もたくさん紹介され、実践への応用ができるようになっている。
最初の1万人を可能な限り早く獲得すること。それが全て
MarketingIdeasの著者がニュースレターの成長戦略について実体験を元に解説した記事があった。ポイントは次の3つ。
結果として創刊からできるだけ短期間で最初の1万人の購読者を獲得すること。これがゴール。いつまでも少ない購読者数ではニュースレターが運営できなくなるから。
他のニュースレターの読者を取り込む
マーケティング関連の有名ニュースレターに寄稿し、そこからの流入を促進。さらに、影響力のある著者たちと積極的に交流を深め、自然な形で相互紹介が生まれる関係を築く。
待機リストの活用
配信を開始する前に、シンプルなランディングページを作成。「早く登録した人が早くアクセスできる」という緊急性のあるメッセージで、700人の待機者を獲得。
Linkedin(SNS)活用
SNS運営が継続的にニュースレターの購読者を獲得するためのチャネルになる。SNSの効率的な運営なしにニュースレターは成り立たない。
他にも上手くいかなかったことも記事では多数紹介されている。
ニュースレターの成長に魔法はない。明確な戦略と、それを実行する徹底的な姿勢。それが持続的な成長を生み出している。
全てのニュースレター配信者が感じるプレッシャーは「今週も読者を裏切らない質のコンテンツが配信できるだろうか?」になる。もちろん私自身もいつも感じている。
MarketingIdeasではその購読者の期待を裏切らない仕組みが詳しく解説されていた。
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